北茨城の地元情報、幅広く発信 フリー冊子「KAMOS」 事業者や芸術家ら創刊

フリーペーパー「KAMOS(カモス)」をPRする編集部の加島優さん(左)と鈴木耕太さん=北茨城市内

茨城県北茨城市在住の事業者や芸術家らが同市の話題を発信するフリーペーパー「KAMOS(カモス)」を創刊した。10代から40代をメインターゲットに市内の情報を幅広く取り上げ、地域を盛り上げる。同誌編集部は「北茨城市の情報のハブとなるフリーペーパーにしたい」と張り切っている。

同誌は編集長の加島優さん(43)と執筆・取材担当の石渡のりおさん(49)、写真担当の永沼建太郎さん(45)、レイアウト・デザイン担当の鈴木耕太さん(29)の4人で立ち上げた。4人は市内のイベントなどをきっかけに交流を深めた。

加島さんは「北茨城市には面白い人、面白いことが多くあるが、横のつながりは少ないと感じる。情報を掘り起こし、市内に広げるネットワークをつくりたかった」と狙いを語る。

同市の情報が掲載されたタウン誌が終刊になっていたことも背景にある。紙媒体の意義について鈴木さんは「SNS(交流サイト)では情報が一瞬で流れて目に留まりにくい。ものとして誌面が置いてあれば目を向けてもらえる」と話す。誌名のカモスは「地域からいい雰囲気を醸し出したい」との思いから命名した。

昨年11月に発行した創刊号はA5判フルカラーで表紙含め24ページ。2千部を発行した。同市出身でメジャーデビューを果たした4人組バンド「オレンジスパイニクラブ」を特集。大型フェスにも多数出演して若者を中心に話題のバンドで、結成の経緯やこれまでの歩み、地元との関わりなどを語っている。このほか協賛した飲食店などの紹介や編集部のコラムを掲載した。誌面はデザイン性にこだわりシンプルに仕上げた。

年4回発行の予定で、次号は4月の見通し。今後はトレイルランや同市出身のスポーツ選手、市内のイベントなどを取り上げてみたいという。同誌はレストランやアウトドア店など市内協賛店舗6カ所に設置。今後は設置場所も増やしていきたい考えだ。

加島さんは「読者に知られていない情報を紹介していき、楽しみに待ってもらえる誌面を作りたい。いろんな人を巻き込みながら北茨城市を楽しくしていければ」と話した。

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