市議13人が倫理違反 長崎・対馬核ごみ「視察旅行」審査会 告発検討に疑問視も

対馬市議13人が市政治倫理条例違反と判断されたことを受け、開かれた市民説明会=市交流センター

 原子力発電環境整備機構(NUMO)の費用負担で視察旅行をした長崎県の対馬市議13人が市政治倫理条例違反と判断された問題で、同市の市民団体が3日、市政治倫理審査会の審査結果についての説明会を開いた。来場者からは各市議から説明を求める声などが上がった。
 審査会に調査請求した上原正行氏が代表を務める「核のごみと対馬を考える会」主催。上原氏はNUMO関係者と、市議13人のうち10人を贈収賄容疑で刑事告発する考えを示している。
 同会側は審査結果や告発に向けた流れなどを説明。来場者からは「(参加した市議)一人一人の反省を聞きたかった」という意見の一方「そこまで追い込まないといけないのか」と告発を疑問視する声も上がった。
 調査結果報告書によると、13人は2021年10月から23年4月の間、処分事業を担うNUMOの費用負担で青森県や北海道にある原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場関連施設を視察。これについて審査会は「政治的または道義的批判を受ける恐れのある寄付に当たる」とした。
 昨年9月、市議会が処分場選定調査の促進請願を賛成多数で採択した際には、13人中10人が賛成していた。

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