家賃6.5万円「風呂無し」アパートに住んでいる社会人2年目です。正社員で年収250万円なら派遣社員になった方がいいですか?

社会人2年目の年収はどれくらい?

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」では、社会人2年目と思われる「~19歳」「20~24歳」「25~29歳」の平均年収を表1のように伝えています。

【表1】

※厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとに筆者作成

学歴によって、社会人2年目の年齢に違いはあるものの、高卒の社会人2年目であれば、年収250万円は高く、専門学校、高等専門学校・短大、大学、大学院卒であれば、平均的な金額であることが分かるでしょう。

勤続年数1~4年の平均給与は335万円

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」によると、勤続年数1~4年の平均給与は335万円(男性:410万円、女性:260万円)です。ただし、勤続年数5~9年で391万円(男性:480万円、女性:292万円)、10~14年で454万円(男性:553万円、女性:325万円)と、勤続年数が長くなるにつれて、平均給与は上昇していきます。

派遣社員の平均給与は1万5698円

正社員で年収250万円の状態に納得できないとしても、すぐに派遣社員になることを検討する必要はないかもしれません。「令和3年度 労働者派遣事業報告書」によると、派遣社員の平均給与は、1日(8時間換算)当たり1万5698円です。1ヶ月の勤務日数を21日で計算すると、32万9658円、年収にすると、395万5896円です。

金額だけを見ると、社会人2年目と思われる平均年収を大きく上回りますが、派遣社員になったからといって、年収が確実に395万5896円となるわけではありません。業種によって賃金差が大きく、派遣社員で働いてみたところ、年収250万円よりも低い水準となるケースもあり得るのです。

そのほかにも、派遣社員の給与の中には交通費が含まれることが多く、就業場所が遠方になると、その分だけ交通費がかさむ点にも注意しなければなりません。

必ずしも派遣社員がよいわけではない

派遣社員は仕事の自由度が高く、自分が納得できる仕事選びができますが、以下のように、注意しなければならないポイントもあります。

__●賞与が基本的にない
●契約期間が設けられている
●定期昇給や長期雇用の保証がない
●退職金制度を設けていない場合が多い__

正社員であれば、継続的な雇用が保証されていたり、責任のある業務を任されたりするなど、派遣社員と比べて、有利に働ける可能性が高いでしょう。また福利厚生の面でも、派遣社員と比べて、正社員のほうが手厚さは上回ります。

家賃の目安は月収の3分の1が目安

毎月の家賃は、月収の3分の1が理想的とされています。月収とは、給与の総支給額ではなく、社会保険料や住民税などが天引きされた手取りで判断してください。現在の家賃が6万5000円であれば、手取り19万5000円以上あることが求められます。

現在の手取りが19万5000円を下回っているとか、上回っていたとしてもローンの返済を抱えているなどでまとまった支出がある場合は、家賃6万5000円では余裕のある生活ができない可能性が高いでしょう。派遣社員になることを検討するよりも、月収とのバランスが取れた適正な家賃の物件へ引っ越すことも、選択肢の一つです。

派遣社員になる以外にも年収を増やす方法を検討しておこう

正社員で年収250万円の人が派遣社員になったとしても、ゆとりのある暮らしができる保証はありません。職種によっては、年収250万円と同水準だったり、下回ったりするケースもあるでしょう。

また会社員でいれば、雇用の継続性や福利厚生の充実度の高さなど、安心して働けるポイントも多いでしょう。派遣社員になる以外にも、昇給や昇格などで年収アップを目指したり、転職のチャンスを見つけたり、副業で収入源を増やしたりすることなども検討してみてください。

出典

[厚生労働省
令和4年 賃金構造基本統計調査 結果の概況 第3表 学歴、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率](https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/03.pdf)
令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報) 表7 派遣労働者の賃金(その1)(9ページ)
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 (第15図)勤続年数別の平均給与 (21ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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