東京ヴェルディ年度別成績と歴代監督 16年ぶりJ1復帰する名門クラブの歴史

Ⓒゲッティイメージズ

2月25日の開幕戦で横浜F・マリノスと対戦

2024年のJ1リーグ開幕が迫ってきた。今季の注目ポイントのひとつが16年ぶりにJ1に復帰する東京ヴェルディの戦いぶりだろう。2月25日の開幕戦は国立競技場で横浜F・マリノスと対戦する。

言わずと知れたJリーグ初代王者で、三浦知良、ラモス瑠偉、北澤豪、武田修宏ら時代の寵児となったスター選手を擁して1990代の日本サッカー界を牽引した老舗クラブだ。

2度目のJ2降格となった2009年以降、「沼」から抜け出せずにいたが、2023年のJ1昇格プレーオフ決勝で清水エスパルスと引き分け、リーグ戦上位だったヴェルディの昇格が決定。J1のピッチに立つ日がいよいよ近付いてきた。改めて年度別成績と歴代監督を振り返ってみたい。

スター選手擁してJリーグ初年度から2連覇

読売クラブからヴェルディ川崎としてJリーグ開幕を迎えた1993年。松木安太郎監督の下、5月15日に旧国立競技場で行われた横浜マリノスとの開幕戦でオランダ人FWマイヤーが記念すべきJリーグ第1号ゴールを決めた。試合は1-2で敗れたが、スタンドを埋めた満員のサポーターの熱狂ぶりは日本サッカー界の新時代到来を感じさせた。

当時は前後期制で、ヴェルディはセカンドステージで優勝。ファーストステージ優勝の鹿島アントラーズをチャンピオンシップで下し、初代年間王者となった。前年から始まったヤマザキナビスコカップでも2連覇を果たした。

1994年もセカンドステージを制し、チャンピオンシップでファーストステージ優勝のサンフレッチェ広島を破って2年連続年間王者。ナビスコカップは3連覇を達成した。

国民的スターとなった三浦知良は1994-95シーズンにイタリアのジェノアに移籍し、日本人初のセリエAプレーヤーとなった。しかし、スタメン出場した開幕戦でバレージと激突して鼻骨骨折。戦線離脱を余儀なくされ、復帰後1得点を記録しただけで1995年セカンドステージからヴェルディに復帰した。

2001年から東京移転も…2009年から“J2沼”

Jリーグ草創期は「我が世の春」を謳歌したが、徐々に歯車が狂いだす。1996年5月にラモス瑠偉が京都パープルサンガへ移籍。成績不振を理由にネルシーニョが監督を辞任するなどリーグ戦7位に終わった。

1997年には加藤久監督が就任したものの15位に終わり、1998年シーズン終了後には読売新聞社が経営から撤退。経営収支が悪化したため高年俸の三浦知良らを切り、立て直しを図った。

2001年から本拠地を東京スタジアム(現味の素スタジアム)に移転し、ヴェルディ川崎から東京ヴェルディに名称変更。しかし、覇権奪回には至らず、2005年に年間17位となってJ2に降格した。

2006年からOBのラモス瑠偉を監督に迎えると、2年でJ1に復帰。退任したラモスの後任として柱谷哲二監督が就任したが、再び年間17位でJ2陥落となった。

城福浩監督就任2年目で悲願成就

2009年から15年も長きにわたって名門ヴェルディがJ2から抜け出せないとは、当時誰が想像しただろうか。高木琢也、川勝良一、三浦泰年、ロティーナ、永井秀樹、堀孝史らの監督がJ1を目指したが、届かなかった。

2022年シーズン中に就任したのが、FC東京、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島などで指揮を執った城福浩監督。同年は9位だったが、翌2023年に3位に入り、J1昇格プレーオフを勝ち上がって16年ぶりのJ1昇格を決めた。

J1昇格プレーオフ決勝の観衆は5万3264人。「オリジナル10対決」で注目度が高かったとはいえ、ヴェルディの潜在的な集客力は想像以上ではないか。もはや、東京という地域を超えた存在とも言える老舗クラブに、全国の注目が集まっている。



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