【50代からやるべき防犯】「ホームページ」からやってくる詐欺にだまされないためには?

「犯罪白書」によると、年齢層別では65歳以上の女性が犯罪被害にあいやすく、その中でもトップなのが「詐欺被害」。ここでは、どういった詐欺の種類があるのかと、種類別の対策法を防犯アドバイザーの京師美佳さんに教えていただきました。第6回は「ホームページ」からやってくる詐欺です。

「ホームページ」からやってくる詐欺の種類

実際にあるネットショッピングサイトをコピーして作った偽サイトがあります。サイトを見るために無料会員登録と称して、個人情報やクレジットカード番号を入力させたりします。

①ネット通販で注文したのに商品が届かない詐欺

おせち料理などで、何度もニュースになっていますが、注文サイトの豪華な写真とまったく違う、みすぼらしい商品が送られてきたり、そもそも商品が送られてこなかったりするのが通販サイトがらみの詐欺です。有名企業や有名ブランドを装う偽物サイトも多く、粗悪品が送ってこられて初めて詐欺と気がつきます。ネットショッピングには要注意。

対策は次ページの【A】をチェック

②ふるさと納税詐欺

ふるさと納税の人気に便乗した偽のポータルサイトが存在します。本物そっくりであることがあり、なかなか見分けがつきません。特徴は、返礼品の値引きや極端なセールなどで呼び込むところ。寄付金を納入しても返礼品が届かないどころか、個人情報やクレジットカードなどが悪用されることもあります。

対策は次ページの【B】をチェック

③ペットサイト詐欺

犬や猫などを、写真や動画だけで購入できるとうたうインターネットのサイトがあります。日本では動物愛護法により、ペットのインターネット上のみでの売買は違法です。ブリーダーサイトや、動物保護団体のサイトなどは、対面での販売が基本。購入後にペットに先天性の病気が発見されたり、予約金をキャンセルできない、ブリーダーと連絡がつかないなどのトラブルが多発しています。

対策は次ページの【C】をチェック

④ワンクリック詐欺

映像サービスや音楽ダウンロードなどのサイトで、「無料再生」や「無料会員登録」「年齢確認」などをクリックするだけで、「登録完了」画面や料金請求画面が出てきます。期限内に払わないと延滞料金がかかる、法的措置をとる、といった脅迫画面が出て支払いを迫りますが、あわてて支払わないように。

対策は次ページの【D】をチェック

COLUMN「『無料』や『お試し』がいつのまにか有料になるサブスクに注意」

月額定額制「サブスクリプション」サービスも国民生活センターに相談が多い詐欺的商法が紛れています。特に多いのが化粧品。「無料お試し」「サンプルあげます」とあったので申し込むと、小さい文字で「無料期間終了後は定期購入になります」と書かれており、解約は複雑すぎてできないことも。

「ホームページ」からやってくる詐欺対策

検索して上位に出てくるサイトが優良サイトとは限りません。一つ一つ内容を見比べてみることが大切。

対策【A】会社情報や決済方法をチェックすること

商品が届かない詐欺は偽物サイトが多いもの。しかも本物サイトをコピペした偽物サイトは、パッと見で判断がつきません。しかし、よく見るとおかしなところが随所にあります。

たとえば会社情報が載っていなかったり、決済方法が銀行振込のみだったり、日本語がおかしい場合もあります。

ネットショップなどは店長の写真がいかにもAIで合成されたような人物だったりもします。違和感を覚えたら利用しないことです。

対策【B】「今だけ」「お得」のあおり文句につられない

ふるさと納税で返礼品の値引きやセールなど、やたらと「お得」をアピールするサイトは詐欺の可能性が高いといえます。

ネットショッピングにも言えることですが、検索でたどっていくと怪しいサイトを踏んでしまいがち。ふるさと納税の場合は、各自治体のホームページで紹介されているバナーからポータルサイトを利用すると安心です。

対策【C】ペットはネットだけでなく対面する

近年、ネットでのトラブルで多いのがペットに関するトラブルです。ペット詐欺もそうですが、ネットで動物を購入したのに実際には届けられないということが。

ペットとなる動物は大事な家族と同じ。ネットだけではなく、直接会って迎えましょう。

ペットトラブルの一つに購入後に病気が判明することがありますが、対面で取引することで、飼育状況や健康状態の確認もできます。

対策【D】ワンクリック詐欺の請求は無視してOK

いろいろなサイトを見ていると、いつのまにか会員登録を促す画面や支払いに関する警告画面があらわれることがあります。

しかしこのようなワンクリックで支払い画面が出た場合は、契約が成立していないので、請求がきたとしても無視をして大丈夫です。

会員登録画面や支払い警告画面が出たら、画面を閉じる「×」を押してサイトを閉じるか再起動をしてください。

※この記事は『60歳から絶対にやるべき防犯の基本』京師美佳監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト 京師美佳

元警察署長の父と刑事の姉をもつ防犯のサラブレッド。
2005年、京師美佳セキュア・アーキテクト設立。
2009年、 一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事就任。
セキュリティ全般の知識を生かして、建物の防犯診断、防犯プロデュースなど幅広く活動。Yahoo!ニュース公式コメンテーターや、テレビの情報番組やニュース番組など、メディアにも多数出演。
これまで受けた相談、診断は7000件以上。
講演、YouTube防犯チャンネル、TikTok防犯教室などでの啓蒙活動も行い、YouTube再生64万回、TikTok再生170万回の動画では、若年層からの視聴も多い大人気コンテンツとなっている。
『防犯アドバイザー 京師美佳の 安心生活をつくる自己防衛の心得35ヶ条』(Sweet Thick Omelet発行、2012年)など著書多数。

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