北陸の酒、飲んで応援! 石川県酒造組合に売り上げ寄付 ひぐちグループ 長崎市内で開催

北陸の酒を客に紹介する(後方左から)西村部長、日向さん=長崎市、大衆割烹樋口築町店

 ひぐちグループ(長崎県西彼時津町)は能登半島地震の復興支援として1月中旬から、運営する飲食店で北陸産の酒を提供している。2日は長崎市内で「北陸の地酒と長崎の素材を共に味わうイベント」も開催。これらの売り上げの一部を石川県酒造組合連合会に寄付する。
 同グループによると、半島北部の奥能登エリアでは全壊した酒蔵や店舗もあるため「食を通して長崎から被災地の酒蔵復興を応援したい」と企画。普段扱っていない北陸産の日本酒を16の蔵元から最大19種を仕入れる。長崎、福岡両市の3店舗で飲める。
 このうち長崎市の「大衆割烹(かっぽう)樋口」築町店で2日開いたイベントは、白藤酒造店(石川県輪島市)の「奥能登の白菊」など10種が並んだ。長崎市出島町でどぶろく醸造所やバーを経営する日向勇人さん(30)が接客し、酒の特長や料理に合う種類を説明した。
 バーで北陸産酒を扱う日向さんは1月中旬に被災地入りし、取引先の蔵元を回った。「能登にルーツがある杜氏(とうじ)は多く、北陸全体がダメージを受けている」という。その上で「神妙になるんじゃなくて、食べて飲んで楽しむことで、離れていても応援できる形がある」と語った。
 同グループ飲食営業部の西村壮平部長(46)は料理のメニューを考案。本県産の食材を生かしつつ、金沢粟麩(あわふ)やハーブ鶏の治部煮(じぶに)など石川県の郷土料理も盛り込んだ。「北陸のおいしいものを知ってもらい、現地を訪れるきっかけになれば」と期待を込めた。
 日本酒を堪能した長崎市の50代女性は「元日から心を痛めていた。何かしらの一助になってほしい」と願った。

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