コンビニ勤務ですが「恵方巻」のノルマがきついです…これって「違法」じゃないんですか?

アルバイトにノルマを課すこと自体は違法ではない

結論として、アルバイトにノルマを課すこと自体は違法ではありません。
ノルマというと、「ノルマ=絶対に達成しないといけない」という厳しい印象を持つ人もいるでしょう。しかし、ノルマは「絶対に達成しないといけない」ものではなく、あくまでも個人に割り当てられた目標を指します。

ノルマがあることでモチベーション高く仕事をこなせる人もいますし、会社としても個人ごとにノルマ=目標を課すことで業績を上げられる可能性もあります。そのため、ノルマ自体が悪いというわけではなく、法律的にもアルバイトにノルマを課すことは違法ではありません。

ただし、ノルマが達成されなかった場合に罰金などのペナルティがあると、労働基準法違反です。具体的に見ていきましょう。

違法となるケース(1)ノルマ未達成の場合の罰金

例えば、恵方巻きを100本売るノルマが課せられ、未達成の場合は5000円の「罰金」が科せられているような場合、法律違反に該当します。これは、労働基準法第16条に抵触するためです。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

もしも、店舗からこのようなペナルティが設定されていても無効ですので、罰金を取られていたとしても返金を請求できます。

違法となるケース(2)売れ残った商品の買取り

ノルマを達成できずに、「売れ残った商品をアルバイトに買い取らせる行為」も違法です。

そもそも、アルバイトを含む労働者は労働力を提供することは必要ですが、成果を出すことは義務付けられていません。そのため、成果が出ないからといって、それに対する責任を負う義務はありません。

感情的には「売れなかったのは自分が悪いから買取りもしょうがない」と考えてしまう人はいるかもしれません。しかし、そもそも売れなかった原因は、販売数量の見込み違いであったり、広告の仕方や商品そのものが悪かったりしたからかもしれず、販売しているアルバイトの仕事だけで成果が決まるわけではないのです。

違法なノルマを課せられたらどうすればよい?

ここまで紹介してきたような違法なノルマを課せられた場合、どう対処すればよいのでしょうか?

まずは、そのような条件を出してきた人の上司に相談することが大切です。
コンビニのアルバイトで店長からいわれた場合、本部に相談するのもよいでしょう。もしも指示を出した人よりも上の人や本部などに相談できないという場合、労働基準監督署などの専門機関があります。
悩みを抱えたままにせず、適切に対処しましょう。

まとめ

恵方巻きの販売などでノルマがあること自体は違法ではありません。しかし、ノルマ未達成の場合に罰金を設定したり、売れ残った商品の買取りを強制したりすることは違法です。

こういったトラブルは1人で解決するのは簡単ではありません。自分だけで悩まず、指示した人とは別の社内の人や専門機関などに相談しましょう。

出典

e-Gov法令検索 労働基準法

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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