嘉代子桜「おかえりなさい」 長崎・桜馬場中に“2世”苗木を植樹

植樹した嘉代子桜“2世”の苗木(左手前)と桜馬場中の生徒ら=長崎市立桜馬場中

 長崎市桜馬場2丁目の市立桜馬場中(大塚潤校長、409人)で1月23日、長崎原爆で命を落とした林嘉代子さん=当時(15)=をしのぶ嘉代子桜“2世”の苗木が植樹された。桜馬場は嘉代子さんが生まれた地とされ、同校は嘉代子さんが通っていた小学校の跡地に立つ。生徒は「嘉代子さん、おかえりなさい!」の横断幕を持って苗木を迎え入れた。
 嘉代子さんは、城山国民学校(現・市立城山小)で動員中に被爆し亡くなった。嘉代子桜は、母親の津恵さんが1949年、娘をしのび城山小に寄贈した50本のソメイヨシノ。「城山小原爆殉難者慰霊会」(本田魂会長)は2020年から、グラウンドに残る6本に接ぎ木して育てた苗木を長崎県内外の学校に広げている。
 植樹式には1年生137人が出席。生徒の代表らが本田会長から受け取った苗木を植えた。総合的な学習の時間で「平和コース」の授業を選択している堀切夏那さん(13)は「授業に加えネットで調べたりして学習した。嘉代子さんが安らかに眠れたらいい」と話した。
 桜馬場地区では昨年3月、桜馬場2丁目の嘉代子さんの家があった場所の前にある観音堂の裏庭に、地元自治会が苗木を植え「おかえり嘉代子桜」と名付けた。

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