ユ・ヨンソク 映画「マイ・ハート・パピー」がきっかけで愛犬リタを家族に「もう一人の生活は考えられない」

「賢い医師生活」のユ・ヨンソクと、「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョンが共演し、2023年に韓国で公開。大ヒットを記録した映画「マイ・ハート・パピー」が、1月2日より日本で公開された。

本作は、人生崖っぷちのミンスとジングクのいとこコンビが、ミンスの愛犬ルーニーの飼い主探しの旅の途中で、行き場のない子犬たちと思いがけない出会いを果たし芽生えた〝犬と人間の絆〟をハートフルに描く。本国で驚異的な大ヒットを記録した映画「ミッドナイト・ランナー」のキム・ジュファンが、監督と脚本を手がけている。

そんな「マイ・ハート・パピー」の日本公開を記念して、ユ・ヨンソクが来日! 本作への思いや撮影エピソード、家族として迎え入れた保護犬のリタについて話を聞いた。

ユ・ヨンソク

―「マイ・ハート・パピー」に出演を決めた理由を教えてください。

ユ・ヨンソク「台本をいただいて読んだ時に、作品の持っているメッセージにとても感銘を受けました。それともし僕がこのオファーを断ったら、作品に登場する犬たちまでを拒否するような気がしたんです。それで出演を決めました」

―チャ・テヒョンさんとは、ユ・ヨンソクさんのドラマデビュー作「総合病院2」(2008年)以来の共演でしたが、久しぶりにご一緒されていかがでしたか。

ユ・ヨンソク「共演が決まった時は、本当に胸が高まりました。チャ・テヒョン先輩とは『総合病院2』以来ずっと交流をさせていただいているので、その関係性が良い方向で作品に生かされていたと思います。演技センスのある先輩なので、僕があえて演技をしなくても、親しい間柄が自然にできていたというか。とてもありがたい存在でした」

―「マイ・ハート・パピー」の中で、ユ・ヨンソクさんが最も好きなシーンはありますか?

ユ・ヨンソク「好きであり印象に残っているシーンなんですが、僕が演じたミンスが亡くなった母親を前に号泣していると、その泣き声を聞いたルーニーが僕に駆け寄って慰めるというシーンです。監督が『まずは(ルーニーを)訓練せずにやってみよう』とおっしゃって撮影を始めたんですが、泣いている僕のところへまっすぐに来てくれて、心が通じ合ったようで感動しました」

ミンス(ユ・ヨンソク扮)ある日突然、愛犬ルーニーと一緒に暮らせなくなり…(ⓒ 2023. Yworks Entertainment Co.,Ltd. All rights reserved.)

―本作は、ソウルから済州(チェジュ)島までのロードムービーでもあります、ロケーション撮影でのエピソードがあったらお願いします。

ユ・ヨンソク「雨の日が続いて、撮影できない期間がありました。するとその間に子犬たちが育って体格が大きくなってしまい、シーンとシーンがつながらないという危機がありました(笑)。監督も編集に苦労されたみたいです」

―ご自身も保護犬のリタを家族に迎え入れました。保護犬に関心を持つきっかけについて教えてください。

ユ・ヨンソク「『マイ・ハート・パピー』を撮影しながら、保護犬の現状をたくさん知り、考える機会を持ちました。撮影を終えてから『僕にも助けられる子はいるだろうか』と保護犬団体のSNSを見てみたんです、その中にリタがいました。SNSを閉じても、なぜかリタのことが頭からずっと離れなくて…それで、家族として迎え入れることにしました」

―リタはどんな性格ですか?

ユ・ヨンソク「MBTIで言うとI(内向型)が強いです(笑)、とても気が小さい。たくさんの人や犬のいる場所はあまり好まなくて、僕と2人きりでいる時はリラックスして甘えてきます。普段から落ち着いていて、いたずらもあまりせず静かです。僕もMBTIではIなので、性格が似ているみたいです」

―リタと出会う前と後、ご自身に変化はありましたか?

ユ・ヨンソク「僕は元々、一人で楽しく時間が過ごせるタイプで、寂しがり屋ではないと思っていました。でもリタと家族になってからは、自宅に一人でいると寂しいし、いつも早く会いたいと思っています。今ではリタがいなくなったらどうしようと思うくらい、生活する上でリタを頼りにしてます」

ユ・ヨンソク

―ユ・ヨンソクさんと言えば、コロナ禍に放送された出演ドラマ「賢い医師生活」が、日本の同世代からとても多くの支持を得ました。国内外で人気を集めたことについて、率直な思いを聞かせてください。

ユ・ヨンソク「コロナ禍は世界で多くの人々が交流できず、つらくて寂しい時間を過ごすなか『賢い医師生活』を観て癒やされたという声をたくさん聞きました。劇中で僕らが演奏した楽曲にも同じく癒やされたという声があり、出演者としてとてもうれしい限りです。日本でドラマをご覧になった方たちも出演した僕たちも、本来なら『賢い医師生活』を通じて実際にお会いして、作品について分かち合う機会が持てたはずがコロナ禍でそれができず残念でした。でもたとえ離れていても、一つの作品を通して互いに慰め合うことができたことは、とても意義深いことだなと思いました」

―最後に「マイ・ハート・パピー」をご覧になる方へ、メッセージをお願いします。

ユ・ヨンソク「『マイ・ハート・パピー』を観た方に、作品に込められた保護犬やそのとりまく環境などのメッセージがうまく伝わって、少しでも多くの犬たちが救われることを願っています」

ユ・ヨンソク

◆ユ・ヨンソク(ゆ・よんそく)1984年4月11日生まれ。2004年に日本で公開され大ヒットを記録した映画「オールド・ボーイ」で、ユ・ジテの青年時代役で俳優デビュー。2008年「総合病院2」でドラマデビューを果たし、スクリーンとテレビドラマを行き来しながらキャリアを重ねた。そして2013年に出演したドラマ「応答せよ1994」でその名を広め、以降「浪漫ドクター キム・サブ」「ミスター・サンシャイン」「賢い医師生活」などに出演。医師から悪役まで、幅広いキャラクターを演じる人気俳優の一人だ。

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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