森保ジャパンの早期敗退の反響は止まない。
２月３日、サッカーのアジアカップは準々決勝が行なわれ、日本代表はイラン代表に１-２で敗北。1-1のまま延長戦突入が濃厚かと思われた後半アディショナルタイム、痛恨のPKをイランに献上してしまい、これが決勝点となった。森保ジャパンのアジア王座奪還の道のりはベスト８で潰えた。
招集メンバーのほとんどを海外組が占め、ターンオーバーができるほど贅沢な選手層を誇る日本代表に、大会前は有力な優勝候補という声が挙げられていた。そんな森保ジャパンのベスト８敗退は、海外でも意外な結果だとして報じられている。
米放送局『ESPN』アジア版は「日本はついに運を使い果たした。アジアカップ優勝候補は準々決勝でイランに敗れる」と日本の敗北に驚きを隠せなかった。「日本のハジメ・モリヤス監督は、１点ビハインドから反撃に転じたイランの猛威に答えを見つけることができず、55分にモハマド・モヘビが決めたシュートと96分にアリレザ・ジャハンバフシュが決めたPKによって、前評判の高かったチームを敗退に追い込んだ」と指摘。イランの猛攻撃に対し、交代枠を含め後手に回った森保采配に疑問符をつけた。
一昨年のカタール・ワールドカップ以降、「17戦無敗」と負けなしだったイランから守田英正が幸先良く先制点を奪ったが、「28分のゴールは、ドーハで日本が飲み干した幸運の最後の一滴を振り払ったかのようだった」と皮肉する記述もあった。
試合終盤、ペナルティエリア内での連係ミスからDF冨安健洋と板倉滉がお互いに見合う形となり、ゴール前の混戦から板倉が相手の足を引っ掛けてPKを与えてしまった場面については「日本は自らを破滅に追い込むという、なんともふさわしい形で心が折れてしまった」と言及。「日本にとって何が問題だったのか。母国では大きな審問の対象になることは必至だろう」と記し、後半アディショナルタイムに起こった致命的なプレーを断罪した。
また、同メディアは試合前日に発表されたMF伊東純也のチーム離脱にも言及。「ジュンヤ・イトウの離脱騒動は、チームを混乱させる一因になったはずだが、それでも相手（イラン）は数日前にPK戦までもつれ込んでいた。日本はバーレーンに３-１で勝利を収めて数時間が経過していたわけで、イランがここまで徹底的に日本を追い詰めたことを完全に説明することはできない」とし、体力的なアドバンテージを生かせなかった日本の戦略ミスだと厳しく論じた。
３大会ぶりのアジア王座奪還を目指した森保ジャパンにとっては、ベンチの戦略も含め、あらためてアジアを勝ち抜く難しさを痛感する大会となった。
構成●THE DIGEST編集部
