イランに圧倒された日本代表に海外メディアはシビア。森保監督の”進退”に言及「ベスト8敗退は波乱に満ちたキャンペーンになるかも」【アジア杯】

中東の地で厳しい現実を突き付けられた。

アジアカップで3大会ぶりの王座奪還を目指した日本代表は準々決勝でイラン代表と対戦。28分に日本が幸先良く先制点を奪い1点リードで折り返したが、55分に同点に追い付かれると、終了間際の後半アディショナルタイムに痛恨のPKをイランに献上。これが決勝点となり、日本は1-2で敗北。ベスト8で姿を消した。

森保ジャパンの試合には海外の識者らも注目。だが、意外な結果に驚きの声が相次いでいる。

例えば、欧州リーグを中心にあらゆるサッカーの情報を配信している専門メディア『Daily sports』のロバート・サイクス記者は「イランが日本をセンセーショナルにノックアウトする!」と興奮を隠せず、「今大会の優勝候補同士の注目の一戦」を詳細にリポート。「日本はボールポゼッションで優位に立っていた時間帯もあったが、枠内シュート数はイランの半分(8本に対して4本)だった」と鋭く指摘し、両チームの決定力の差が勝負の明暗を分けたと説いた。
一方で、ライバル国は森保ジャパンの脆弱な戦いぶりに厳しく言及している。

オーストラリアのサッカー専門メディア『FTBL』は「衝撃的な勝利」とイランの逆転勝ちを速報。「アジアカップ優勝候補の日本は、準々決勝でイランに2-1で敗れた。中東の強豪国は準決勝でホスト国のカタールと対峙することになった」とベスト4のカード決定を伝えている。

記事内では「日本は28分、ヒデマサ・モリタ(守田英正)の素晴らしいドリブル突破からリードを奪う」と先制点は称えたが、「3度の優勝を誇るイランは、アズムンがボールを奪い、華麗なターンからモハマド・モヘビにスルーパス。背番号21は抜け出し、冷静にゴールを決めた」と日本の守備陣を崩したイランの攻撃力を高評価。90+6分のDF板倉滉がPKを与えたシーンには「無謀なスライディングだった」と酷評した。

試合の総括としては、「決勝トーナメント1回戦のシリア戦でPK戦に持ち込まれたにもかかわらず、イランは明らかに日本よりも運動量が多く強い気迫でゲームを支配した」と論じる。さらに同メディアは「日本はセカンドボールで大きく負け、フィジカルで劣り、FIFAランク21位(アジア2位)につける相手の激しいカウンター攻撃についていけなかった」と付け足し、イランの猛攻撃に劣勢だった森保ジャパンに低評価を下した。

加えて、「大会4度の優勝を誇る日本にとって、この敗戦は波乱に満ちたキャンペーンになるかもしれない。モリヤス監督に激しいプレッシャーがかかる」と言及。期待を裏切るベスト8での敗退は、森保監督の「今後の進退に影響する」とも指摘している。

3大会ぶりのアジアカップ制覇を狙った森保監督は「ファンや日本サッカーに関わるすべての人に申し訳なく思っている。震災(能登半島地震)の被災者に幸せな時間を与えることができなかったことを後悔している。この結果に責任を感じている」と語り、志半ばでの敗北に力なく答えている。

構成●THE DIGEST編集部

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