取材ノート ”内なる思い”探りたい

 ■製造業に加えて1月から、外食関連業も担当することになった。新規出店や新業態、M&A(企業の合併・買収)など、感度を高めて、中部地方の各社の動きを追いたい。
 先日、あいさつに訪れた取材先との雑談で、M&A戦略について聞いていたとき。幹部が「私個人の思いなんですが」と前置きした上で、ある思いを打ち明けてくれた。「われわれのような外食企業は、勤務時間が夜、遅くなりがち。ライフステージの変化で時間に制約が出やすい女性が、長く働き続けることが難しくなってしまっている。だから今後、M&Aで違う業態を手に入れ、女性も含めた多様な人材が、活躍できる環境を整えたい」と。
 上場企業の人的資本に対する投資家の目は、昨今、厳しくなっている。企業も対応に迫られるなかで、「ダイバーシティーの推進のためのM&A」が登場しつつある、と気づかされた。各社の戦略に秘められた”内なる思い”を、丁寧に探っていきたい。
 ■竹田 ゆりこ(たけだ・ゆりこ)工作機械や電機機器などの製造業と、外食業を担当。休日は、シーズン真っ盛りのスキーに行くのが楽しみ。新調した中上級用の板を使いこなすことが当面の目標だ。

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