「全日本後から気合を入れ直した」“アイスダンスのみ”異例の『保留』から2か月…ようやく決着した世界選手権の代表選考に小松原夫妻が本音【四大陸選手権】

世界への切符を自力で掴み取った。

フィギュアスケートの四大陸選手権(中国・上海)は現地2月4日、アイスダンスのフリーダンスが行なわれ、北京五輪代表の小松原美里&尊が自己ベストを超える111.41点をマーク。合計182.70点で、こちらもパーソナルベストを更新。日本勢トップの8位に入り、3月にカナダ・モントリオールで開催される世界選手権の代表入りを確定させた。

2日のリズムダンスでは、映画『ゴーストバスターズ』の明るい曲調に乗って息ぴったりな滑りを披露した2人は71.29点をマークし、日本勢トップの6位スタートと好発進を決めた。

その勢いはフリーダンスでも変わらず。ベテランらしい安定したツイズル、滑らかなスケーティングと豊かな表現力で会場を魅了。2人は笑顔を浮かべて、演技後は健闘を称え合うかのように抱き合った。プライベートでも夫婦として切磋琢磨するカップルはキスクラで会心の得点を確認すると、両隣に座るコーチ陣と喜びを分かち合った。

小松原夫妻は昨年12月、全日本選手権で2年ぶり5度目の優勝を飾るも、他のカップルとの実力が拮抗しているとして、世界選手権の代表選考が難航。日本スケート連盟は、アイスダンスのみ発表を『保留』する異例の決断を下し、1月の理事会で今大会に出場する日本勢3組のうち、成績最上位カップルを世界選手権の日本代表とすることを決定した。
ようやく代表切符を手中に収めた美里は「全日本の後からまた気合を入れ直して、1日1日頑張った成果がここに出たかなと思う。本当に応援してくださる方々、支えてくださっている皆さまに感謝の気持ちを伝えたい」と周囲のサポートに謝辞。唯一無二のパートナーである尊も「応援してくださってる方々に、心の底から『ありがとう』という気持ちを伝えたい」と感謝の気持ちを述べた。

世界選手権が開催される場所は、2人の練習拠点でもある馴染み深い地だ。夫の尊は今大会の経験を糧にして「(プログラムを)ブラッシュアップしたい」と意気込む。一方、妻の美里は「1日1日しっかり練習して、本番でしっかり力が出せるように気を抜かずにしたい。地の利は生かしつつ、自分たちのベストを尽くしたい」と言葉に力を込め、3年ぶりの大舞台を見据えた。

他の日本勢の結果は、吉田唄菜&森田真沙也が166.13点(10位)、田中梓沙&西山真瑚は157.63点(11位)で終えた。

異例の代表選考は、ようやく決着。若いカップル2組の思いを受け継いだ小松原夫妻のさらなる飛躍に期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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