「力不足、私の責任」 市政刷新求める勢いに、4選阻まれた山本龍氏 群馬・前橋市長選 

支持者へ深々と頭を下げる山本氏=4日午後7時半ごろ、前橋市日吉町の選挙事務所(大橋周平撮影)

 「信じられない」。現新一騎打ちとなり、4日に投開票された前橋市長選。落選した現職、山本龍氏(64)の陣営には衝撃が走った。3期12年の実績と新たな公約を掲げて戦ったが、市政刷新を求める勢いに4選を阻まれた。

 午後7時ごろ、テレビで小川晶氏(41)の当選確実を伝える速報が流れると、同市日吉町の選挙事務所に動揺が広がった。約30分後に姿を現した山本氏は、約200人の支持者を前に「私自身の力不足。私の責任としてこの現実を受け入れている」と敗戦の弁を述べ、深く頭を下げた。小川氏に対しては「多くの市民の負託に応えた政治をしてくれる。そのことにエールを送りたい」と述べた。

 永田智彦選対事務長は「勝利を確信していたが、このような結果となり心からおわび申し上げる」と悔しさをにじませた。

 選挙戦では、多選批判を念頭に「市長給与50%カット」を打ち出し、高齢者・子育て世帯へのインフレ対策給付金3万円などを公約の目玉に据えた。3期12年の実績を強調し、近隣4市町とのごみ処理の広域化推進などもアピールした。

 組織戦を展開し、国会議員が連日のように応援入りした。地元選出の県議や26人の支援市議と共に市内を細かく回った他、業界団体ごとの集会を開くなどしたが、得票を伸ばせなかった。

 記者団の取材に応じた山本氏は、これまでの政治活動を「幸せだった」と振り返りつつ、「もうちょっと市民に見せたかったのが本音かな」と打ち明けた。今後については「前橋を愛する一人の市民として、みんなと共に活動していく」と述べるにとどめた。

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