万博/中国パビリオン起工式開く、巻物モチーフにデザイン

中国政府は2日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場(大阪市此花区夢洲)で自ら設計・施工するタイプAパビリオンの起工式を開いた。タイプAの着工は3カ国目。テーマは「自然と共に生きるコミュニティの構築 グリーン未来社会」。中国の伝統的な書物の巻物をモチーフにしたデザインが特徴的で、竹や漢字などで、自然と結合した中華文明の精神や文化の概念を表現する。設計は中国建築設計研究院が担当し、大建設計が設計協力。施工は中日建設(名古屋市中村区)が担う。
起工式で、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)の任鴻斌(レンホンビン)会長は「共生と発展の理念や豊かさを示す。最も高い品質の設計・施工などで、最も美しいパビリオンをつくる」と述べ、呉江浩(ウージャンハオ)特命全権大使は「積極的に中国の文明と、発展の成果を紹介する」と力を込めた。
吉村洋文大阪府知事は「パビリオンの完成と訪れることを楽しみにしている」、石毛博行万博協会事務総長は「今からワクワクしている。工事の安全を祈る」と述べ、中国建築科学研究院の王俊(ワンジュン)理事長は「研究院の技術でスマートなパビリオンをつくる。中国らしさをアピールしたい」と語った。
任会長らは、邪気を払う北京産の石を据え付け、砂をかける中国の地鎮儀式「定礎式」を行った。
パビリオンでは、クリーンな発展に対する考えも示す。敷地面積は3509平方メートルで、規模はS造2階建て延べ3871平方メートル。安全祈願祭は1月22日に済ませ、着工した。25年2月に内装を含めた工事を終える予定だ。

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