米FRB、利下げ時期検討に慎重にアプローチ可能=パウエル議長

Howard Schneider

[ワシントン 4日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日放送されたCBSのインタビューで、経済が堅調な中、当局者にはインフレ率が低下し続けるという確信を強めるための時間があるとし、利下げ時期を巡る問題に「慎重」にアプローチできるという認識を示した。

「幾分時間をかけ、インフレ率が持続的に2%に低下していることをデータで確認するのが賢明だ」とし、「この問題に慎重にアプローチしたい」と報道番組「60ミニッツ」で述べた。

労働市場の軟化を示すデータが出れば利下げが早まる可能性がある一方、インフレ鈍化が止まったことが示されれば予想以上に利下げが遅れる可能性があるとした。

インフレ率が今後数カ月にわたり低下を続ける可能性が高いと確信しているが、利下げを開始する前にさらに確信を深めたいとの考えも改めて示した。また、外部からのショックがなければ、米経済成長は続くと予想した。

「(利下げが)早すぎたり、遅すぎたりするリスクのバランスを取る必要がある」とし、「経済は良い状態にあり、インフレは鈍化している。2%目標に向けて持続的に低下しているという確信をもう少し得たい」と語った。

世界の地政学的情勢にも触れ、外部からのショックで米経済が軌道から外れるリスクは常にあると指摘。一方、中国の不動産不況や景気減速については、米中の金融システムや各生産システムが深く結び付いてているわけではないとして「米国への影響を少しは感じるかもしれないがそれほど大きくないだろう」との見方を示した。

インタビューは1日に実施されたため、2日発表の雇用統計に関するやり取りはなかった。

パウエル氏は利下げ開始時期が「データ次第」だと強調。昨年12月に公表された当局者の金利見通しで、2024年に25ベーシスポイント(bp)の利下げが3回予想されたことについては、それ以降に「予想を大きく変えると思わせるようなことは何も起きていない」と述べた。

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