インドネシア中銀、ルピア上昇見極めてから利下げも=総裁

[パダララン(インドネシア) 3日 ロイター] - インドネシア中央銀行のワルジヨ総裁は3日、年内に景気浮揚のために利下げを行う余地があるとした上で、通貨ルピアが対ドルで上昇するのを見極めてから実施する意向を示した。メディアの会合で発言した。

ワルジヨ氏は「世界の環境が不均衡な中で(利下げを)急げば、ルピアは下落してインフレが収拾つかなくなる」と述べた。

中銀は、ルピアの安定確保とインフレ抑制を狙いに、2022年8月から昨年10月にかけて主要政策金利を計250ベーシスポイント(bp)引き上げて6%とした。

総裁は、世界情勢の不透明感が和らぎ始め、米連邦準備理事会(FRB)も利下げを開始しそうなため、おそらく今年下半期に金融緩和を実施する余地ができる、との考えを改めて示した。

利下げに先立って預金準備率(RRR)を引き下げるか、との質問に対して総裁は、現在の流動性環境は既に緩和的だと述べて否定的な見解を示した。

インドネシアのインフレ率は1月に2.57%に下がり、中銀の目標レンジ1.5─3.5%の中間近くに収まっている。

同国は14日に議会・大統領選を控え、ルピアが足元で不安定な展開となっている。

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