コロナだけじゃない?子どもの呼吸器感染症が急増!急な発症に備えて保護者と会社ができること

新型コロナウイルス感染症が感染症法の5類となって初めての冬を迎えました。例年冬は空気が乾燥し低温となるため、ウイルスが繁殖しやくなり、呼吸器感染症と呼ばれるインフルエンザや溶連菌感染症やRSウイルスといった感染症が流行します。
しかし、今シーズンは呼吸器感染症の患者が爆発的に増えており、特に子どもの間で流行しています。具体的には、咽頭結膜熱(プール熱)、RSウイルス感染症、溶連菌感染症などがあります。もちろん新型コロナウイルス感染症、インフルエンザの感染症の患者数も爆増しています。
実際に皆さまの周りにも、呼吸器感染症にかかったという方が例年以上にいらっしゃるのではないのでしょうか。

なぜ今シーズンは呼吸器感染症が多いのか

先ほども触れたとおり、インフルエンザウイルスやRSウイルスは低温多湿の環境で増殖しやすいため、冬に増えることは納得がいきます。しかし咽頭結膜熱は別名プール熱と呼ばれるように、本来はプールでの接触で広がりやすい夏に流行る感染症です。
なぜ季節に関係のない感染症まで流行しているのでしょうか。
それは、コロナによって感染症対策が徹底されたことによる影響と考えられています。手洗いうがいや手指消毒、マスク着用が徹底されたことにより、ウイルスが体に入る機会が激減しました。これにより、ウイルスに対しての抵抗力が著しく低下しています。そのためこれまでは自身の免疫機能によって排除されていたウイルスを排除することができず、爆発的な感染につながっているのです。

急な発症による仕事への影響

子どもは保育園や学校など同年代と集団生活を送っています。子どもは大人に比べて距離が近く、飛沫による感染をしやすい傾向にあります。また大人に比べると手洗いなどの衛生行動が不十分な場合もあります。そのため子どもが集団生活を送る場所では、呼吸器感染症が蔓延しやすいといわれています。
子どもが突発的に体調を崩すと、保護者も急遽の早退や欠席が発生します。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症に罹患した場合は、子どもは学校保健安全法に基づいた期間は出席停止となりますので保護者が1週間近く休みを取らないといけなくなることもあります。
実際に3人子どもがいる方から、子どもが1週間ずつ順番にインフルエンザに感染し、1か月近く仕事を休まざるを得なかったと話を聞いたこともあります。小さなお子さまであれば、症状が落ち着いても一人で留守番をさせるわけにもいかないので、保護者も家にいなくてはいけません。仕事に影響を及ぼすおそれがあります。

突発的な休みに対応できる事前の準備が必要

このような突発的な休みへの対応は事前の準備が重要です。
まずはお子さまのいる方は、家族内で対応方法について話し合っておきましょう。「順番に休みをとって看病する」「学校に近いほうがお迎えに行く」などあらかじめ話し合っておくといざというときに心強いですね。お勤めの会社の子の看護休暇の制度も確認しておきましょう。法律で定められた法定休暇ですが、会社によって子どもの対象年齢や取得可能日数が異なる場合があります。
祖父母など家族のサポートが受けられるか、地域に利用できる病児・病後児保育があるかどうかなどもあらかじめ調べておきましょう。感染症の場合は病児・病後児保育が利用できないこともあります。どのような時に使うことができ、どのような流れとなるのかを理解しておきましょう。
また企業のできる対策として、多様で柔軟な働き方を勧めることがあります。テレワークが可能であればご自宅で働くことも可能でしょうし、フレックス制であれば時間を調整して出勤が可能な場合もあります。柔軟な働き方を整備することによって、従業員の定着や優秀な人材の確保につながり、企業にとってもメリットとなります。

突発的な体調不良は予測が難しく、子どもであればなおさらです。
日ごろから準備をしておき、いざというときに備えておきましょう。

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