世界を変える第一歩へ 社会課題へ若者が提案 気候変動や核廃絶… 「大きな問題を自分事に」 長崎

マイプロジェクトを発表する吉本さん=長崎市役所

 自分と社会との接点を見つけ、世界を変える第一歩を踏み出す「ピースメーカー」を育む-。長崎市の一般社団法人が昨年11月に開講した「ピース・アカデミー」の卒業制作発表会が市役所であり、第1期生の代表9人が社会課題の解決に向けた「マイプロジェクト」を披露した。
 同市の若手研究者らが設立した同法人「ピース・エデュケーション・ラボ長崎」(林田光弘代表理事)が開いた。広島や千葉など県外在住者を含む高校生や大学生、30歳以下の社会人計40人が受講。1月末まで計10回、オンラインで講義やグループワークに取り組んできた。
 最終課題として各自がジェンダーなど四つの社会課題の中からマイプロジェクトづくりと、実際に行動に移す「第一歩」まで挑戦。1月31日にあった発表会では9人が、性別にとらわれない「ソロ活」や核兵器廃絶をアピールするステッカー作成、RPGゲームを活用した平和学習などのアイデアを披露した。
 長崎市内のコーヒー専門店にほれ込み、2年前に東京から移住したバリスタの吉本夏さん(24)は、好きなものを通し気候変動の問題をとらえるトークイベントやワークショップを開く企画案を説明。「大きな問題を自分事として考えるきっかけをつくれたら。アカデミーを通し多くの出会いがあった。みんなの力で長崎からでも世界は変えられる」と語った。
 発表会にはオンラインを含め約80人が参加。林田代表理事(31)は「プロジェクトの実現を応援したい。大人の皆さんも仲間になってもらい、若者たちの取り組みを支えるような循環をつくれたら」と話した。同法人では運営費用の寄付を募っている。

記念写真に納まる発表会参加者ら=長崎市役所

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