沖縄県立図書館（那覇市泉崎）が6日から29日まで、本の貸し出しシステムの更新などのため臨時休館する。5年に1度の大規模な更新で休館中は本の貸し出しができず、館内の自習スペースなども使えない。受験シーズン真っただ中とあって、自習や調べ物で愛用している生徒たちからは「困った」「静かな環境で集中したいのに」と戸惑いの声が上がっている。（社会部・榧場勇太）
1日午後、図書館の自習スペースでは制服を着た生徒たちがテキストやノートを広げ勉強に励んでいた。県立高校3年の女子生徒（18）は「小論文試験の対策で調べ物をしている。休館になったらどうしよう」と困り顔。別の県立高校3年の男子生徒（18）は「塾に行っていないので、図書館で自習している。家には年下のきょうだいがいるのでなかなか集中できない。どこで勉強しようかな」と悩む。
県立図書館は、2018年に那覇市寄宮から現在の場所に移転した。貸出機やパソコンなどのリース契約が5年で終了するため、システム更新が必要という。
利用者への影響を小さくするため、比較的利用者の少ない11月から翌1月にかけての更新を検討したが、半導体不足などの影響で業者の納入が間に合わない。同館のシステム管理の担当者は「特に受験生には迷惑をかけることになり申し訳ない」と話している。
これまでも蔵書点検のため11～12月に2週間ほど休館することはあったが、今回は利用者の多い受験シーズンとぶつかり、期間も3週間以上と長い。
一方、図書館での自習を巡っては、受験シーズンや定期テスト前に利用者が集中することが課題になっていた。荷物を置いて場所取りをする人もおり、読書や調べ物で利用する人から「座る席がない」といった苦情が寄せられることも。システム更新後は、自習席をウェブで事前予約する方式を導入する予定という。同館の担当者は「全ての人にとって利用しやすい場所になるよう運営していきたい」と話している。
