夫も友人も失い…“超”ハイスぺ男性との再婚を夢見たアラサー女性がたどった「悲惨な末路」

西田智子さん(仮名、以下同)は、25歳の時に大手企業に勤める年収800万円の遠藤浩二さん(結婚当時31歳)と結婚し、寿退社しました。

幸せな生活を送る彼女でしたが、結婚から3年の月日が流れたある時、転機が訪れます。高校時代の友人であり大手企業に勤める河野清美さんが、外資系勤務で年収1200万円の山崎正人さん(当時30歳)、と結婚したのです。自身の夫である浩二さんよりも、正人さんのほうがさらに“ハイスぺ”に映った智子さんは、驚くべきことに、正人さんを略奪したいと考えるようになります。

自身の容姿にかなりの自信を持っていた彼女でしたが、一向に正人さんを落とせず、ついには強硬策に出てしまいます。

●前編:ハイスぺ夫を持つ28歳女性が友人の結婚式に参列後、豹変…略奪をもくろんだ“あきれた言い分”

強硬策に出るも玉砕…そして、夫も友人も失うことに

強硬策といっても、その手段は古典的かつシンプルといいましょうか、「会社前で待ち伏せ」をしたのだそうです。会社から出てきた浩二さんを捕まえて、強引に思いのたけを訴えたのです。学生時代はこれだけで友人の彼氏も落ちたそうなのですが……今回はアッサリと断られたといいます。当然でしょうね。

その後、なまじ家族ぐるみで関係を築いていたために、今回の件はすぐに清美さん、そして浩二さんにも伝わったそうです。そして清美さんは智子さんとの友人関係をやめ、浩二さんからも離婚を言い渡されてしまいます。ちなみに浩二さんに対しては、正人さんと出会う2年ほど前から徐々に愛情が薄れ、正人さんと出会って以降はすっかりそっけない態度だったのも原因だったそうです。

それでも、この時はまだ彼女は強気でした。次は「正人さん以上の男性と結婚すればいいだけ」と考えていたといいます。

しかし、現実は残酷でした。

離婚後はどうにかアルバイトを始めた彼女でしたが、「30歳のアルバイト女性」です。どんなに婚活に励んでも、正人さんより“ハイスペック”な男性には見向きもされなかったといいます。

ここまでご紹介したエピソードは、十数年前の話。そこからさらに時の経った現在の彼女は、すでに40歳を超えていますが、未婚かつ派遣社員という状態です。どうにかアプリで婚活は続けているものの、今では生活さえ厳しいといいます。

「私ならすぐに正人さん以上のハイスペと結婚できると思っていましたし、だからこそ再就職も考えもしませんでした。でも……派遣社員の収入では美容にかけるお金も足りませんから、“ビジュアル”も保てませんし、最近では年収500万円の同年代の男性にも見向きもされません。今からの再就職も絶望的ですし、これからどうしたらいいでしょうか?」

あまりに自業自得な結末ですが……いつかまた良い出会いがあるといいですね。

人と比べるのは不幸の始まり。比べるなら自分を中心に多角的に

人間は人と比べて自分の立ち位置を知る生き物です。そのため人と比べてしまうこと自体は、ある程度は仕方ないことといえます。特に友人知人や兄弟姉妹などの近しい相手の場合、その傾向はより顕著になりがちです。時にはうらやみ、嫉妬もするでしょう。

しかし一方で、「ヨソはヨソ、ウチはウチ」という言葉もあるように、程度が大事といえます。一度は勝てても、いつ負けるか分かりませんし、他の人に負かされることも多いのが一般的です。現代はSNSなどを介して簡単に他人の生活が見られる時代でもありますから、人との比較は、そのような終わりのない不幸の始まりになりかねません。

特に、夫や妻など自分以外を比べることは、当人をおとしめることにつながりがちですから、注意が必要です。たとえ略奪などしなくても、たとえば「あの人を見習って、もっと稼げ」などと言われて奮起する人などまずいません。いつか離婚になりかねない行為ともいえます。

どうせ比べるなら、自分を中心に多角的に考えることが大切です。今回の場合、清美さんと比べれば、容姿では勝てても、勤め先や年収などで負けているといえるでしょう。そして夫の年収は負けているかもしれませんが、智子さんは「専業主婦」希望を尊重してもらっています。

比較する時はつい盲目的になりがちですが、なるべくこのように考えて納得できる落としどころを探しましょう。

恋愛と結婚は違う。男性は結婚相手の容姿を重視しない

国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」によると、男性が女性に求める「結婚相手として重視するポイント」は、以下のようになっています。

1位:人柄

2位:家事育児の能力・姿勢
3位:仕事への理解・協力
4位:容姿
5位:共通の趣味
6位:経済力

また婚活に関するさまざまなアンケートを見ても、(結果にバラつきはありますが)少なくとも容姿が1位のものは見かけた記憶がありません。若いうちは若さも重なって容姿で選ばれることもありますが、それはあくまで例外です。

人柄などは目に見えませんから、確かに最初は容姿も大きな判断要素になります。一時的な恋愛なら、容姿だけで選ぶ男性も少なくありません。しかし一般的な男性にとって責任が伴うと感じる結婚は、恋愛とは完全な“別物”であり、容姿だけで選ぶ男性など、なかなかいないのが実情です。

女性同士なら、「若いね~!」「ちょっとやせた?」「その服、素敵」などとお互いの容姿を話題にすることもあるかもしれません。そのため、美容やファッションに勤しむ女性も少なくないでしょう。しかし、それは男性には通らないのが現実です。結婚や婚活では、ぜひ相手目線を意識して自分を磨きましょう。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。

婚活FP山本(山本 昌義)/ファイナンシャルプランナー

商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年に「山本FPオフィス」を東京・赤坂にて開業し、独立。2020年にオフィスを滋賀県栗東市に移転。現在は日本初の「婚活FP®(商標番号:6652878号)」として、婚活パーティ開催や結婚相談所との提携を元に、主に婚活中の方や新婚夫婦などから相談を受けている。「マネー現代」にて不定期連載中、レインボータウンFMにて「子育てとお金」をテーマに不定期出演中、結婚相談所や行政での婚活セミナーも随時活動中。マイアドバイザー®、CFP®、一級FP技能士。


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