マルタン・プロヴォ監督作『画家ボナール』今秋公開決定 横浜フランス映画祭での上映も

第76回カンヌ国際映画祭カンヌ・プルミエールに正式出品されたフランス映画『Bonnard, Pierre et Marthe(原題)』が、『画家ボナール ピエールとマルト』の邦題で今秋よりシネスイッチ銀座ほかにて全国公開されることが決定した。

印象派と、抽象を探求したポスト印象派との間を結ぶ架け橋とみなされているフランス人画家ピエール・ボナール(1867年~1947年)。彼は大胆な色彩と日常の些細な事象を好んで描いたことで知られ、友人の画家たちと一緒に、1888年に「ナビ派」として知られるグループを形成した。彼らは、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌ、葛飾北斎の先進性を称賛し、ボナール自身も日本美術からの影響を多くの作品で示していたことでも知られる。

本作では、そんな彼が生涯の伴侶となるマルトとの半生が描かれる。マルトは“幸福の画家”ピエールにとって、単なるミューズをはるかに超えた存在となるのだが、2人の関係は謎に満ちていた。当時の常識からはかけ離れた破天荒な愛の形を営みつつも、生涯をかけ共同で充実した芸術的成果を生み出していく。

監督を務めたのは、『ルージュの手紙』『ヴィオレット ある作家の肖像』『セラフィーヌの庭』などのマルタン・プロヴォ。『セラヴィ!』『夜明けの祈り』のヴァンサン・マケーニュがピエールを演じ、妻マルト役は『メビウス』『幻滅』などのセシル・ドゥ・フランスが担当。そのほか、『グッバイ・ゴダール!』のステイシー・マーティン、『ギターはもう聞こえない』のアヌーク・グランベール、『幻滅』のアンドレ・マルコンらがキャストに名を連ねた。

あわせて公開された場面写真では、破天荒な生涯を送った画家ピエール・ボナール(ヴァンサン・マケーニュ)とその妻・マルト(セシル・ドゥ・フランス)の姿を切り取った絵画のようなショットや、ボナールの創作シーンなどが捉えられている。

また、今秋の公開を前に、3月20日から24日にかけて開催される「横浜フランス映画祭 2024」での公式上映も決定。映画祭では、プロヴォ監督の来日も予定されている。

(文=リアルサウンド編集部)

© 株式会社blueprint