インドネシアGDP、23年は5.05%増へ減速 商品価格が下落

[ジャカルタ 5日 ロイター] - インドネシア統計局が5日発表した2023年の国内総生産(GDP)は前年比は5.05%増と、前年からやや鈍化したものの堅調な結果となった。商品(コモディティー)価格の下落で輸出が振るわなかった。

政府の見通し(5%)とおおむね一致した。22年は世界的なコモディティーブームを背景に輸出が過去最高となり5.3%増加した。

昨年はパーム油、石炭、ニッケルなどインドネシアの主要商品の価格が下落したほか、世界経済の減速を受けて主要貿易相手国からの需要も軟化した。

また22年8月から23年10月にかけて行われた合計250ベーシスポイント(bp)の利上げが個人消費に打撃を与えた。

第4・四半期GDPは前年比5.04%増加し、ロイターがまとめた市場予想(5%増)とほぼ一致した。

前期比(季節調整前)では0.45%増。市場予想は0.41%増だった。

23年通年では5.05%増加した。市場予想は5%増だった。

政府は今年のGDPを5.2%増と予想。2月14日の大統領選に向けた支出や政治的不透明感の緩和に伴う民間投資がGDPを押し上げるとの見方を示している。

ただ、DBSバンクのエコノミストは今年のGDPを5%増と予想。選挙が消費と投資に影響を及ぼすが「不安定な物価や主要貿易相手国の景気鈍化で(貿易の見通しが)厳しい」との見方を示した。

バンクダナモンのエコノミストも今年のGDPを4.9%増と予想し「家計消費の鈍化が続く。今年の輸出収入は減少する見通しだ」と分析。今年は公共投資も抑制される可能性があると述べた。

© ロイター