中国不動産の融創やCIFIなど、地方政府の支援確保

[香港 5日 ロイター] - 中国不動産開発大手の融創中国と旭輝控股集団(CIFIホールディングス)、緑地控股集団(グリーンランド・ホールディングス)、中駿集団(SCEグループ)は、一部のプロジェクトが地方政府から融資対象として適切と認定されたことを明らかにした。

昨年、海外債務が不履行に陥った同業の碧桂園(カントリー・ガーデン)も3日、30件以上のプロジェクトが地方政府の金融支援対象として適切と認定されたと表明していた。

同国では各市が金融支援対象として適切な不動産開発事業をリストにまとめる「ホワイトリスト」政策を1月26日に始動。35都市が金融支援を必要とする住宅プロジェクトを銀行に推奨する準備を進めている。

融創中国は昨年、90億ドルの海外債務再編を完了。90件以上のプロジェクトが北京、天津、成都、重慶各市などのホワイトリストに追加されたことをロイターに5日明らかにした。「プロジェクトの資金繰りが改善し、さまざまな都市で住宅の引き渡しが一段と確実になる」としている。

CIFIも海外債務の再編を進めている。4日の声明で、18件のプロジェクトが重慶、北京、天津、武漢各市などのホワイトリストに登録されたと発表した。

グリーンランドは117億元(16億3000万ドル)の融資を必要としている34のプロジェクトが山東省、四川省、雲南省のホワイトリストに登録されたと表明。ホワイトリストへの登録は地方政府と金融機関の「力強い支援」を浮き彫りにしていると述べた。

同社は政府系の不動産開発会社として初めて2022年に海外債務の返済を延期した。

SCEは昨年10月、18億ドル相当のドル建て債がデフォルト(債務不履行)となった。地元メディアの5日の報道によると、同社は10件以上のプロジェクト(融資必要額30億元)がホワイトリストに入った。SCEからのコメントは現時点で得られていない。

香港株式市場で、カントリー・ガーデン株は一時4.8%上昇したが、横ばいで終了。CIFIは0.9%高。融創は0.9%安、SCEは0.65%安で引けた。上海上場のグリーンランドは5.9%安。

中国当局は向こう数日中に住宅プロジェクトへの融資拡大を目指しているが、銀行の消極姿勢が主な障害となっている。

不動産開発会社や投資家によると、融資はプロジェクトの完成のために充てられ、債務返済や財務強化には利用できない。

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