『春になったら』“神”役で中井貴一が登場! “リアル親友”木梨憲武との関係性が活きるか

余命3カ月を宣告された雅彦(木梨憲武)が綴った死ぬまでにやりたいことリスト。伊豆に行く、遊園地ではしゃぎまくるなど、瞳(奈緒)と一緒にこなすものが目立つなか、ふたつ目に書かれた「神に謝る!」との文字が気になっていた。

「神(かみ)に謝る? 謝るって、なに。懺悔したいことでもあんの?」と瞳につっこまれても、「じん、ね。じんってやつ。お前の知らないやつだよ。そこはいいじゃん!」と濁していた雅彦。どうやら、その“神(=じん)”の正体は、同級生の神健一郎だったようだ。そして、『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)第4話の予告では、神を中井貴一が演じることが明らかとなった。

ちなみに、木梨と中井は同い年の“リアル親友”。ともにゴルフ好きな2人は、『銀座ゴルフ倶楽部 presented byテーラーメイド』(ゴルフネットワーク)内で行われたゴルフ対決で仲睦まじい姿を見せていた。

また、2021年に配信されたデジタルEP『木梨ミュージックコネクション3』には、2人のデュエット曲「ジグゾーパズル」が収録されている。翌年放送の『うたコン』(NHK総合)では、サプライズで楽曲を披露したことも。

コラボすることになったきっかけは、「いい歌ができたから歌おう!」という木梨からの誘いだったらしく、中井は「そのままのノリでレコーディングを……」と笑いながら明かしていた。おそらく、気負わず接することができるラフな関係性なのだろう。そんな2人だからこそ、“50年来の親友”という役柄も自然に演じることができるのではないだろうか。

雅彦の死ぬまでにやりたいことリストのひとつ目には、「伊豆に行く!」と書いてあった。これは、第2話ですでに達成されているのだが、伊豆というのは、雅彦が妻の佳乃(森カンナ)と出会った場所。雅彦は死ぬ前に、娘を大事な場所に連れて行き、伝えておきたかったのだろう。佳乃との出会いや愛を育んだ過程、結婚して瞳が産まれて、2人はどれだけ幸せだったのか。“あなたはとっても愛されていたんだよ”ということを。

それほど、深い意味を持っていた「伊豆に行く!」と、3つ目の「遊園地に行く!」(=瞳が小さい頃に、仕事が忙しくて連れて行ってあげられなかったことを雅彦は後悔していた)との間、ふたつ目に書かれていたのが「神に謝る!」だ。あらすじを見るかぎりでは、雅彦と神は48年も会っていなかったらしい。それなのに、死ぬまでにやりたいことのふたつ目に浮かぶとは……。中学2年生のとき、好きな人をめぐって神を裏切ったというのだが、そんな昔のことをずっと覚えていたなんて、雅彦はどれだけ義理堅い人間なのだろう。

ただ、中井が登場するということは、「あのときは、ごめんね」「そんな昔のこと忘れちゃったって!」なんて和やかな雰囲気では終わらないだろう。予告には、神が神妙な面持ちで、「実は、君に謝らなければいけなきゃならないことがもうひとつ……」「椎名くん、あのとき僕は本当に最低なことをした」と謝罪をしようとしているシーンがあった。神が話す“最低なこと”とは何なのか。死ぬまでにやりたいことリストにチェックがついていくたび、雅彦が死に近づいている気がして、胸が苦しくなる。

(文=菜本かな)

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