映画『エルフ 〜サンタの国からやってきた〜』などで知られる俳優ウィル・フェレル。
ウィルは、アメリカ・ユタ州で開催された「2024 サンダンス映画祭」に登場しました。
同映画祭では、ウィルが出演する『Will & Harper(原題)』のプレミア公開が行われました。
同作の上映後、サンダンス映画祭ではめったに見ることのない、スタンディングオベーションが起こり、高く評価されたと米Variety誌 が報じています。
『Will & Harper』は、30年来の親友であるウィルとハーパー・スティールが、旅に出るドキュメンタリー作品。
製作のきっかけになったのは、ハーパーが3年前の夏、親しい友人たちに「トランスジェンダーである」とカミングアウトしたことでした。
ハーパーは2022年、当時61歳で、トランス女性に性別移行することを世間に公表しています。
同作では、ロードトリップを通じて、性別移行プロセスにあるハーパーとウィルが、友情を再確認しあったり、トランスジェンダーについて深く考えたりするシーンが描かれています。
今回ネットで注目を集めたのは、ウィルのトランスジェンダーへの理解について。
米Variety誌 のインタビューに応じたウィルの発言に、ネットでは称賛の声が寄せられています。
インタビュアーからの質問、「ハーパーが性別移行する前、何かトランスへの基本的な知識や経験はあったんですか?」に、ウィルはこう答えました。
「基本的な知識?ゼロでしたよ」
「以前、トランスジェンダーの人たちに会ったことはあります。でも、個人的に付き合いのある人たちの中にはいなかったので、私にとっては、未知の領域でした」
「だからこそ、私たちにとって、(トランスジェンダーについて)世界に発信できるとてもすばらしい映画なんです」
「シスジェンダーのコミュニティーにいる私たち全員が、トランスジェンダーについて質問したり、考えたりできる機会だからです」
「それだけでなく、彼らの話をただ聞き、いち友人としてこの旅について話し合うことができました」
※シスジェンダー:性自認と出生時に割り当てられた性別が一致している人のこと。
ウィルは、ハーパーからカミングアウトされた時のことも、振り返っています。
「3年前の夏、カミングアウトについてのメールが、親しい友人たち宛に届きました」
「もちろんみんな驚きましたし、その知らせを聞いて興奮しました」
「私たちはとても協力的だったし、愛情を示しました。でも同時に、こんなことも思っていました。どうやってハーパーをサポートすればいいだろう?私たちはどうすればいい?って…」
トランスジェンダーについての知識が「無知だった」と明かしたウィルに、ネットでは称賛のコメントが寄せられました。
💬「めちゃくちゃいい話。学ぶ意欲があれば、『無知だった』と素直に認めてもいいと、彼は証明してくれたんだから」
💬「ウィルがすごいのは、ただの最高のアライとしていようと努めただけじゃない。トランスについて無知だったことを認め、いち友人として学ぼうとする意欲があるのが、すごいんです」
💬「これこそが、学び、成長し、優しさとまごころをもって新しいことに取り組む姿。みんな、ウィルの姿勢を見習うべき」
※アライ:多様な性のあり方に理解のある非当事者で、支援者、応援者のこと。
この記事は英語 から翻訳・編集しました。 翻訳:髙島 海人