賀集さんの「千葉愛」エコバッグを販売

チレボンでバティック工房を主宰する賀集由美子(かしゅう・ゆみこ)さんが、台風被害に遭った千葉のマップを描いたエコバッグを作りました。東京の隣なのに意外と知られていない千葉の地理がよくわかります。観光名所や名産品などが細かく書き込まれ、「千葉愛」にあふれたマップ。なぜ、賀集さんが「We Love 千葉」なのでしょうか?

千葉にこだわる理由は?

出身は神奈川県ですが、実家は今でも千葉県です。

千葉マップでも八街(やちまた)がクロースアップされています。八街推しの理由は?

藤沢市から引っ越しし、中学・高校時代に八街に住んでいました。大学で東京へ行ってからも、両親は2005年まで八街在住でした。

引っ越した当時、総武本線は電化しておらずディーゼル機関車で、朝の列車の1両目は行商のおばちゃん専用車両ということに、度肝を抜かれました。

いろいろカルチャーショックはありましたが、最も衝撃的だったのは給食で出された個包装の味噌ピーナツ。どうやって食べればよいかわからなかったし(同級生は吸ってた)、そもそも「立ち位置」(おかずなのかデザートなのか?)が不明でした。味噌ピーナッツは千葉のソウルフードのようで、今でもスーパーで普通に売っています。

八街に住んでいた時は、終電が早くていやだなぁ(東京でのコンサートは、アンコール前に帰らないといけない)とか、八街が難読地名の上に番地が変!(いろはにの「に」など。「八街市八街に-XX」とか。千葉は、ほかの町も「いろはに」番地が結構あるみたいです)とか、思っていました。

名物の砂嵐(「やちぼこり」とも呼ばれる)にめげて高校をよく休み、出席日数が足りなくなったりして、ギリギリで卒業しました。今でも時々、卒業できない夢を見てうなされてます。

賀集さんのお薦めの千葉物産は?

離れてから懐かしく思うことは、野菜のおいしさです。父親が家庭菜園で作っていた野菜はもちろん、スーパーで売られていた地元農家の野菜、無人販売所の野菜も新鮮でおいしかったです。

当時から落花生は名産品でしたが、近年では高級品として有名に。千葉半立、ナカテユタカのほかにも、おおまさりやQナッツなども人気です。

おおまさりは2007年に発売された改良種。Qナッツはやはり新品種で2018年10月中旬からの販売開始。塩ゆでした豆は、おつまみにも最適です。

落花生の加工品も、おいしい物が目白押しです。お薦めは八街・フクヤ商店のピーナッツバター。また、成田に本社がある米屋のぴーなっつ最中はピーナッツ型の箱入りでかわいいです(下写真)。

フクヤ商店(八街)

米屋(成田)
https://www.eshop-yoneya.com/shop/item_list?category_id=354961

Qナッツについて

同じページに「千葉県内で作付けされている主な落花生」の説明がありました。

千葉半立
独特の風味があり、食味が特に良い。高級ブランド品種として販売されている(新豆販売は11月上旬から)

ナカテユタカ
多収で食味が良い。千葉半立が出回る前を中心に販売されている。(10月中旬から)

郷の香
大粒で多収。さやは白くて大きく、熟度がそろう。甘みがあり、食味は良好。(8月下旬から)

おおまさり
さやが一般品種の約2倍と極めて大きく、食味が特に良い。贈答用などとして人気が高い。

エコバッグは「I Love Peanuts」バージョンもあります

千葉マップ柄のエコバッグをなぜ作ったのですか?

台風15号が通過して大停電が続く千葉の被害が心配で、NHKワールド・プレミアムの夜7時のニュースをつけてみたら、トップニュースが翌日行われる内閣改造でした。内閣改造のニュースは10分近くも割いて放送し、千葉の停電は2〜3分の短い扱いでした。

政府とメディアに対して「東京のすぐ隣の県がこれだけひどい被害に遭っているのに、これはどういうこと?」と怒りがわいてきました。

ちょうど、新しいエコバッグのデザインに取りかかったところで、用意した紙が机の上にありました。そこに、インターネットから取った千葉の地図をトレースし、自分なりの千葉マップを描き始めました。

私がエコバッグを作ったからと言って何かできるわけではありませんが、何らかの形でアウトプットしたいと思ったのです。

千葉県で自分が行きたい所とか食べたい物を、いろいろ描いています。なじみのある北総エリアのほかに、南房総にある魚のおいしい食堂や道の駅めぐり、農園での切り花摘み……また出かけたい所がたくさんあります。

エコバッグは八街の友人に、お土産にしようと考えています。そのほかに、今まで千葉とは縁のなかった方たちに見ていただいて、おいしい名産品を食べていただきたいです。

お薦めの名産品はふるさと納税の返礼品にもなっているので、参考にリンクを貼っておきます。

南房総市などは「思いやり型返礼品(災害復旧支援型)」として、被害を受けた事業者への支援もできるようです。

八街市

南房総市

賀集由美子
西ジャワ州チレボン市で手描きバティック工房「Studio Pace」を主宰。手描きバティックを使用した小物の他に、型押しバティックやシルクスクリーン技法を使った製品も作っている。ジャカルタではグランド・インドネシアの「Alun-Alun」で購入可能。

千葉のPRになれば……という思いのこもった「We Love Chiba」のエコバッグ。次の帰国の際、このマップを見ながら千葉散策はいかがでしょうか。1個10万ルピアで販売します(送料別)。ご購入希望の方は、メール:までどうぞ。(2024年2月5日追記:販売は終了しています)

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