復帰前の姿残す写真300枚 奄美群島、群馬の男性発見

奄美群島が日本に復帰した1953年12月に岩城三郎さんが撮影した、奄美大島の港で笑顔を見せる米軍関係者(奄美博物館蔵、岩城隆二氏提供)

 鹿児島県・奄美群島が米軍統治下(1946~53年)だった50年代に日本人の米軍関係者が奄美大島で撮影した写真が大量に見つかり、このうち約300枚が鹿児島県奄美市に寄託されている。当時の奄美群島を調査し、早期復帰を提言した米シラキュース大のダグラス・ハーリング教授(故人)の姿も写っており、専門家は貴重な資料としている。

 写真は、那覇市出身で、米軍の運転手などとして奄美で働いた岩城三郎さんが撮影し、息子の隆二さん(73)=群馬県藤岡市在住=が2010年ごろ、鹿児島県姶良市の三郎さん宅で発見した。

 12年に三郎さんは死去したが、21年になって「奄美復帰史」にハーリング教授の功績を示した記述を発見し、米軍幹部らと写っている写真が米統治下時代の貴重な資料と分かった。

 隆二さんによると、三郎さんは写っていたハーリング教授に関して「重要人物で、軍幹部も敬語を使っていた」などと話した。

 約300枚の写真は22年10月ごろ、同市の奄美博物館に寄託。同館の照屋真澄学芸員は「大変貴重な資料」と評価した。

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