映画「東京喰種」鑑賞日記@ジャカルタ

インドネシアで、映画「東京喰種」は、ジャカルタをはじめとする主要都市のCGVシネマズ系列の22館で公開された。9月13日に一斉に封切りし、最長で2週間の上映だった。上映都市は下記の通り。

ジャワ島(ジャカルタ首都圏、バンドン、ジョグジャカルタ、チレボン、バニュマス、スラバヤ)、スマトラ島(メダン、プカンバル、パレンバン)、バタム島(バタム)、カリマンタン(バリックパパン)、ロンボク島(マタラム)、スラウェシ(マナド)

9月13日(水)17:00、グランド・インドネシア、5万ルピア

私の書いた「編集長日記〜窪田君、ス・ゴ・イ」を読んで以来、「窪田君が気になってインターネットを検索している」と言うUさん、グランド・インドネシアのネイルサロン「トーキョー・ネール」に行こうとしたが閉まっていたため、「トーキョー・グール」に予定変更したデザイナーのQと3人で、映画館へ。

映画館の入口前に「東京喰種」の立て看板が立っていたり、チケット売り場に「Tokyo Ghoul」の文字が掲示されている、ただそれだけでもテンションが上がる。

まずは、チケットを購入。そして、グールにはコーヒーとサンドイッチだろー!と、映画館内のパン屋「トゥ・レ・ジュール」でブラックコーヒーとミックス・サンドイッチを購入。このサンドイッチがまずかった。ハムは牛肉のはずだがヤギ肉のような臭みがあり、分厚く切ったパンは、パンのまずさを際立たせる。グールにはぴったりの臨場感だった。

まずいサンドイッチとコーヒー・アメリカン

観客はわれわれのほかに、ジルバブをかぶった若い女性2人組と、若い男性グループ数人のみ。われわれの後ろに座った男性グループは日本語が少しわかるようで、日本語を聞きながら、ところどころで日本語をリピートしていた。映画が終わってからは、なかなか席を立たずに、解説だかディスカッションだかをしていた。

映画は日本語音声で、英語とインドネシア語のダブル字幕付き。インドネシア語は英語を訳していると思われ、翻訳はおおむね正しいようだった(注:全部をきちんと確認したわけではない)。しかし、「Rize」が「Riza」となっていたりという明らかな間違いや、ニュアンスが違う、と思った箇所もあった。最後に流れる主題歌に字幕が付いておらず、インドネシア人観客が理解できないのは残念だった。

映画を見た後、Uさんの第一声は、「最後の、大写しになる窪田君の顔がいいよねー」。ほかにも「目の演技がいい」、「言葉が崩れてない。きちんとしゃべっている」とコメント。「グールになったら、どんなかな? 足で蹴っ飛ばすのとか、気持ち良さそう。今晩、夢に見るとしたら、グールになって、蹴っ飛ばしているところかな」。

デザイナーのQの第一声は、「これは、続きがあるんでしょ? これから、始まるんでしょ?」。「全部のエピソードを並べた感じだが、続編を楽しみに思えるぐらいの仕上がりにはなっている。続編がないともったいない」。

映画としてはやはり、強くなったカネキがマスクをかぶって出て来る所が一番、盛り上がる。グールとして完全に覚醒し、めちゃくちゃに強いカネキを見たい。

9月16日(土)16:45、セントラル・パーク、6万ルピア

封切り後、初の週末だからか、人が多くてびっくり。2/3ほどの入り。21歳以上のレーティングがかかっているのに、3歳ぐらいの女の子が映画館内を歩いていて、「いいんかいー」と思った。

家から歩いて行ける近場なので、ここにしたのだが、音響が悪いのかミスなのか、非常に音が小さい。椅子もガクガクする。同じCGV映画館なのに、随分、環境が違う。映画館の外にも座る場所のないぐらい人があふれていて、グランド・インドネシアの高級感と比べると、庶民的。

観客の反応は、最初はしゃべったりざわついたりしているが、カネキがリゼに襲われる所から「しーん」となる。トーカちゃんが腕を味見するシーンや、見るからに痛そうなシーンでは、素直に「ひーっ」という感じだ。亜門との戦いの中でリゼにとりつかれるカネキのシーンでは、ちょっと笑いが起きていた。ここは少々「やりすぎ」感があるので、監督の最初の意向通り、抑えた方が良かったかもしれない。

2回目を見て、1回目よりさらに輝いて見えたのはトーカちゃんだった。観客にウケていたのも、大体、トーカちゃんのシーン。コミカルなセンスもあるということだろう。続編が出来たとしても、トーカちゃんの配役が変わると、かなり違和感がありそうだ。

「今年最高の飯マズ映画」と言われているようだが、私はこの映画を見た後は、おなかが空く。映画に出て来る、肉汁がじゅわっとあふれるハンバーグ、ぴかぴかに光った肉じゃが、エビ天うどん、めちゃくちゃおいしそうではないか。さらに、カネキが街をさまよう場面では、「ヒト」がおいしそうに見えてくる。若い女性は軟らかそう、男性は引き締まった筋肉質、というように、グールの目で人を見ている。そしてもちろん、コーヒーを飲みたくなる。混じりけのないブラックで。

映画の後で見つけたショーウインドー。「卵は世界だ」……(「ニュー・ソーホー」で)

9月21日(木・祝)12:30、グランド・インドネシア、7万5000ルピア

うかうかしていたら、もうラスト。セントラル・パークではもうやっておらず、グランド・インドネシアで1日2回のみの上映。あわてて、グランド・インドネシアへ。

席はスクリーンの中央で、これまでで一番良い席。音響も座席も良い。やはり毎回、グランド・インドネシアで見れば良かった、と後悔する。

観客は2/3ほどの入りで、通常の終演前のガラガラ状態とは違う。もう少し継続できるのではないか、と思った。映画館は違っても、やはり痛そうな所では「ひーっ」、笑いを誘う所では笑い、観客の反応は素直だ。

3回目なので落ち着いて映画を見ながら、ジャカルタの映画館の大スクリーンで窪田君を見られることに改めて感激していた。最後のクレジットのトップで流れる、「窪田正孝」の文字。こんな機会が再び訪れることを願う。

最後の映画の後は、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」とベトナムコーヒー

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