公共料金は、現金払いや口座振替のほか、クレジットカードでの支払いも可能です。「クレカで支払えるのはどの公共料金?」「クレカよりもお得に公共料金を支払う方法はある?」という疑問を持つ人もいるでしょう。
公共料金をクレジットカードで支払うと、ポイントが貯まるためお得です。ただし、口座振替割引がある公共料金の場合、必ずしもクレジットカードの方がお得になるとはいえません。
この記事では、公共料金をクレジットカードで支払うメリット・デメリットなどについて解説します。
この記事でわかること
- クレジットカードで支払える公共料金
- 公共料金をクレジットカードで支払うメリット・デメリット
- 公共料金をクレジットカード払いに変更する方法
クレジットカードで支払える公共料金は?
クレジットカードで支払える公共料金は、以下の通りです。
- 電気料金
- ガス料金
- 水道料金
- 固定電話料金
- NHK受信料
- バスや電車など公共機関の運賃(定期代)
- 高速道路料金
- タクシー代
また公共料金ではありませんが、スマホ代やネットの利用料などもクレジットカードで支払えます。
公共料金ごとにクレカ払い・口座振替・現金払いを比較!
公共料金ごとに、クレジットカード、口座振替、現金で支払った場合のメリットをまとめました。
電気料金
電気料金は、口座振替を選ぶと月55円の口座振替割引があります。年間で660円お得です。
クレジットカードで支払うときは、支払代金に応じてクレジットカードのポイントが貯まります。貯まるポイントが年間の口座振替割引額の660円を上回れば、口座振替よりもクレジットカードで電気料金を支払った方がお得といえるでしょう。
例えば、ポイント還元率0.5%のクレジットカードで支払う場合、電気料金が月額1万1000円以上だと得られるポイントが660円相当以上になります。1.0%なら、ポイントが660円相当以上になるのは月額5,500円以上です。
ガス料金
ガス料金は、東京ガスのみ月額55円、年間660円の口座振替割引があります。電気料金と同じ金額が割り引かれるので、クレジットカードで支払う場合は、ポイント還元率が1%であれば5,500円、0.5%であれば1万1000円以上の支払いをすれば、クレジットカードの方がお得です。
東京ガス以外のガス会社ならば、口座振替割引がたないため、クレジットカードでの支払いがおすすめです。
水道料金
水道料金は、口座振替割引を導入している自治体と、していない自治体があります。
割引額も地域によって異なりますが、多くの自治体で月額55円(年間660円)、高い自治体で月額110円 (年間1,320円)です。これらの金額よりもクレジットカードのポイントが上回るなら、クレジットカードで支払った方がお得といえるでしょう。
ただし、クレジットカードでの支払いに対応していない自治体もあります。
固定電話料金
固定電話の割引額は、契約する回線ごとに異なります。また、契約プランによっても変わります。
ただ、口座振替割引はないため、基本的にはクレジットカードを使った方がお得です。基本料金はダイヤル回線で1,595~1,870円、プッシュ回線で1,760~1,870円なので、クレジットカードを使うと最低でも以下のポイント還元が期待できます。
NHK受信料
NHKの受信料は、地上波のみと衛星放送を追加で見られるプランで料金が異なります。
また、まとめて受信料の前払いをすると、前払いの支払額に応じてお得な割引サービスが受けられます。この割引サービスは、口座振替でもクレジットカード払いでも同じ金額となっています。
電車やバスなどの公共機関の運賃
電車の場合、JRであれば新幹線などの乗車券や特急券、定期券、在来線の切符などもクレジットカードで購入できます。ただし私鉄や地下鉄など、鉄道会社によっては利用できないケースもあるため確認が必要です。
またバスは、高速バスや定期券ならば運賃をクレジットカードで支払えるケースが増えています。
口座振替による支払いは、一般的に電車・バスいずれも対応していませんが、口座振替で電子マネーにチャージをして支払うことは可能です。電車であれば、即時に銀行口座から引き落とされるデビットカードを利用できる場合もあります。
高速道路料金
高速道路料金をクレジットカードで支払った場合は、利用代金とカードの還元率に応じてポイントが貯まります。
ETCパーソナルカードを利用すれば、口座振替で高速道路料金を1ヵ月単位で支払えます。また、ETCパーソナルカードを使って口座振替で支払った場合、道路事業者ごとに定めたポイント還元が受けられます。月間利用額に応じて、さらに追加でポイントが付く道路事業者もあります。
ETCカードを使う場合、カード会社によってはETC発行手数料や年会費の支払いが必要です。またETCパーソナルカードは、平均利用月額を申告してデポジットを預託しておかなければなりません。デポジットの預託とは、保証金を預け入れることです。
デポジットは平均利用月額の4倍で、解約すれば全額返金されます。未払料金があれば、デポジットから相殺された残額が返金となります。
タクシー代
タクシー代の支払いは、現金かクレジットカードのみで口座振替は対応していません。口座振替を利用するには電子マネーにチャージしたり、デビットカードを利用したりする必要があります。
クレジットカードを利用すれば、利用代金とカードの還元率に応じたポイント還元が受けられます。
公共料金をクレジットカードで支払うメリット
公共料金をクレジットカードで支払うメリットは、以下の通りです。
- クレジットカードのポイントが貯められる
- 毎月の家計管理を一元化できる
- クレジットカードの利用実績が増える
クレジットカードのポイントが貯められる
クレジットカードで公共料金を支払うと、カードのポイントが貯まります。還元率はクレジットカードによって異なりますが、相場は0.5~1.0%です。
例えば、単身者の1ヵ月間の光熱費は、平均1万3098円です。これをもとに計算すると、還元率0.5%のカードなら65ポイント、1.0%のカードなら130ポイントが貯まります。
2~4人世帯のケースについても下表にまとめたので参考にしてください。
毎月の家計管理を一元化できる
公共料金を現金で支払うと、そのたびに領収証やレシートが手渡されるため、あとで家計簿をつけるときに煩雑になりがちです。しかしクレジットカードで公共料金を支払えば、利用明細が確認できるため、いつ・何に・いくら使ったかが一目で確認できます。近年では、Web上でリアルタイムに確認できるカードも増えています。
公共料金以外の生活費の支払いもクレジットカードにまとめれば、家計管理が一元化できます。
公共料金にはそれぞれの支払期日がありますが、支払いをクレジットカード払いにまとめれば、支払期日の一元化も可能です。公共料金のそれぞれの支払期日が近づくたびに、口座に残高があるか心配する必要がありません。
クレジットカードの利用実績が増える
クレジットカードを定期的に利用して、支払期日までに支払うというサイクルを積み重ねると、良好な「クレヒス(クレジットヒストリー)」が築かれます。クレヒスとは、クレジットカードやカードローンの利用履歴のことです。
新規でクレジットカードを発行するときや、ローンを組むときに、金融機関は申し込み者のクレヒスを確認します。クレジットカードの利用実績を積んで良好なクレヒスを築いておくと、利用限度額の増額やクレジットカードの新規発行、ローンの審査で有利になる傾向があります。
公共料金は定期的に必ず支払いが必要になる支出です。普段あまりカードで買い物をしない人でも、公共料金の支払いをクレジットカードにするだけで、良好なクレヒスを築きやすくなります。
公共料金をクレジットカードで支払うデメリット
クレジットカードで公共料金を支払うデメリットは、以下の通りです。
- クレジットカードの限度額が圧迫される
- クレジットカード更新のたびに手続きが必要になる
クレジットカードの限度額が圧迫される
クレジットカードには、利用限度額があります。公共料金をクレジットカードで支払うと、その分限度額を圧迫します。
利用限度額が厳しいときは、カード会社に利用限度額の増枠を申し込みましょう。利用限度額の増枠は審査が必要ですが、クレジットカードの利用実績を積んでいれば審査に通りやすい傾向があります。
クレジットカード更新のたびに手続きが必要になる
クレジットカードは定期的に更新されます。公共料金によってはクレジットカードの更新があると、改めてクレジットカード支払いの申し込みが必要になる場合があります。
公共料金をクレジットカード払いできるコンビニは限られる
「コンビニなどに公共料金の払込票を持ち込めばクレジットカードで払えるのではないか?」と思うかもしれません。しかし、コンビニで公共料金を支払う際に、原則クレジットカードは利用できません。
例外的にファミリーマートでは、ファミマTカードでのみ支払い可能ですが、2024年2月29日をもってファミマTカード払いは終了となります。
まとめ
クレジットカードで公共料金を支払うと、ポイントが貯まるためお得です。しかし電気料金やガス料金は、口座振替で支払うと割引が受けられるため、利用金額次第ではクレカ払いがお得ではない可能性もあります。
公共料金をクレジットカードで支払うと、家計管理を一元化できたり、クレジットカードの利用実績が増えたりするメリットがあります。クレジットカード払いと口座振替、現金払いのうち、どれがお得なのか慎重に比較検討してください。
クレジットカードを効率的に利用するコツなどさらに詳しいメリットについては、こちらの記事「クレジットカードのメリット8選!現金払いとどっちがお得?」で詳しく解説しています。