能登の千枚田「歴史消さない」 輪島市がドローン調査実施

震災前の白米千枚田=石川県輪島市(農水省提供)

 日本海に面した能登半島の斜面一面に階段のような棚田が連なる石川県輪島市の白米千枚田は1月の地震で複数の大きなひび割れ被害が出た。国の名勝に指定され、絶景を求めて多くの人が訪れる観光スポットで、市はドローンによる調査を実施。米作りを担ってきた人々は大きなショックを受けながら「何百年もの歴史がある。消すわけにはいかない」と力を込める。

 千枚田は1600年代に水路が周辺に整備されたのを機につくられたとされる。過去にも地滑りで水田が失われるなどの被害に見舞われながら、約4ヘクタールの土地に名前の通り1004枚の小さな棚田が連なる。

 輪島市は4日、専門の法人に委託し、ドローンを使った調査を実施した。米作りが始まっていない現在は上空から見ると、地面を切り裂いたような亀裂が至る所に確認できたという。市は被害状況をまとめ今後の復旧に生かす考えだ。

 農業機械での稲作が主流になり、機械が入れない千枚田では担い手の高齢化もあって休耕田が増加。市の助成やボランティアの協力、オーナー制度などで景観を守ってきた。

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