犬のリード、伸縮タイプのものがおすすめできない理由5選 便利の裏には危険なリスクが潜んでいる

犬のリードに伸縮タイプのものがおすすめできない理由

犬の伸縮リードは、ノーリードにできない場所でのトレーニングをしたいとき、大活躍してくれるアイテムです。飼い主と愛犬が遠く離れた位置につき、「待て」から「おいで」のトレーニングなどです。

伸縮リードでお散歩をしているのをよく見かけますが、犬があっちへ行ったりこっちへ行ったり、何だか自由に歩かせてあげることができているような、そんな気分にもなるのではないでしょうか。

しかし、そんな便利なアイテムにも危険やリスクはつきものです。

我が家では、愛犬たちに伸縮リードを購入したことは一度もありません。私自身が安全に使いこなす自信が全くないからです。

伸縮リードをおすすめできない理由、どのような危険やリスクを伴うことがあるのか、ぜひ一緒に考えてみましょう。

1.足元に絡まる

伸縮リードを長く緩んだ状態のままで使用していると、犬や人の足元に絡まることがあります。

紐状のものが足に絡まると、逃れようと手足をバタバタとさせ、犬がパニックを起こし、より絡んでしまったり、手足をギュッと締め付けてしまったり、転倒するなどの危険が伴います。

伸縮リード同士が絡まってしまったとき、パニックを起こした犬同士が喧嘩になってしまうこともあるでしょう。

大きな犬の足元の高さにある小さな犬の首に絡みついてしまったら…と考えると、ゾッとしますよね。

2.むち打ちになる

伸縮リードを長く緩んだ状態から急に巻き上げたとき、犬がむち打ちになることがあります。

首に過度な外力が加わり、首や神経を痛めてしまうことを「むち打ち」と言います。実際に犬に対して「むち打ち」という言葉で診断がなされることがあるかどうか分かりませんが、頸部のケガとして取り扱われるのではないかと思います。

3.スムーズに巻き上げられない

長くした状態の伸縮リードを短くしたいとき、ストッパーを解除しようとしても、スムーズに巻き上げられないことがあります。

咄嗟のとき、愛犬と他人が接触し、飛びかかったり咬みついたりしてしまうことがあるかもしれません。

犬同士であれば、咬みついてしまったり、咬みつかれてしまったり、大怪我に繋がる恐れもあります。

4.ストッパーが効かない

伸縮リードを短くした状態でストッパーをONにしているとき、犬が強く引っ張ったり、急に走り出したりし、ストッパーが解除されてしまうことがあります。

強い力が加わると、ストッパーが効かず、勝手に伸びてしまうことがあるのです。

「愛犬が車道に飛び出してしまったら?」「拾い食いをしてしまったら?」思わぬトラブルや事故に巻き込まれてしまうかもしれません。

5.リードがちぎれる

伸縮リードは意外と細く、ちぎれやすいです。伸縮リードがちぎれて愛犬が迷子になった、という話は何度と耳にしています。

実はつい先日も「リードがちぎれて、愛犬がいなくなってしまいました…」と声をかけてきた飼い主の手元には、なんと伸縮リードが…。

伸縮リードは細く、もともとちぎれやすいことも理由のひとつですが、犬が噛んで遊んでしまってちぎれやすくなっていた、ということもよくある原因のようです。

まとめ

犬のリードに伸縮タイプのものがおすすめできない理由を5つ解説しました。

  • 足元に絡まる
  • むち打ちになる
  • スムーズに巻き上げられない
  • ストッパーが効かない
  • リードがちぎれる

伸縮リードは、お散歩には向きません。犬同士を遊ばせるときにも向きません。

飼い主と愛犬の1対1でトレーニングをするとき、犬が急に走り出す必要のない場合に限り、便利なアイテムだと思います。

伸縮リードが愛犬にケガを負わせる原因になってしまってはなりません。

他人や他犬をトラブルに巻き込んでしまったり、危険な目に遭わせてしまったりすることもある、ということを理解し、活用の仕方をよく考える必要があると思います。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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