小渕優子氏、地元・前橋市長選の敗北 “知らんぷり” に党内からも批判…勝利した京都市長選は「今後の弾み」と喜び見せたのに

自民党幹部との会談に臨む小渕優子氏(写真・時事通信)

自民党の政治資金をめぐる裏金事件は、収支報告書に不記載があった議員に対して聞き取り調査をおこなう次のステップに移った。2月2日、都内のホテルで聴取を担当したのは、森山裕総務会長、小渕優子選挙対策委員長ら6人だ。

「ネットではまたしても『ドリル優子が取り調べをするのか?』と話題になりました。小渕氏といえば、2014年に政治資金規正法違反が発覚、事務所のパソコンのハードディスクがドリルで破壊されていたことから『ドリル優子』と命名されました。

小渕氏の心中はわかりませんが、2月4日に投開票された京都市長選挙では、自民が推薦した新人の松井孝治氏が当選。小渕氏は当確後すぐに《今年最初となる大型選挙で、わが党が支援した候補者が勝利した意義は大きく、今後の各級選挙に向けた弾みになると考えます》とコメントしました。その文面には、うれしさがにじんでいましたね」(政治担当記者)

選対委員長として面目躍如といった気持ちだったのだろうが、もともと松井氏は2001年の参院選に当時の民主党から立候補して初当選。鳩山内閣では官房副長官を務めたことから、市長選では自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党が応援する相乗り候補だった。

「そのため、ニュースサイトのコメントでは、《正直、今回は、自民党の力とは思えません》《やった感を出してるけど自民党は相乗りしただけ》など、小渕氏の “図々しさ” を指摘する書き込みも多く見られました」(同)

一方、同日におこなわれた群馬県の前橋市長選挙では、与野党ガチンコ対決に。自民党と公明党が推薦した現職が敗れ、立憲民主党など野党が支援した無所属新人の小川晶氏が初当選を果たした。群馬県は小渕氏のお膝元で、小渕氏は自民党群馬県支部連合会長も務めている。

「群馬県は福田赳夫氏、中曽根康弘氏、小渕恵三氏、福田康夫氏などの総理大臣を輩出した保守王国です。その県庁所在地の首長選挙で敗北したわけですから、小渕氏は相当ショックだったでしょう。しかも、敗れた現職は3期12年も務めてきたベテランでしたから」(自民党関係者)

さらに永田町の不評を買っているのが、小渕氏が自身のホームページに《[京都市長選]松井孝治氏 接戦を制し勝利をつかむ》と誇らしげに自民党ニュースの見出しを掲げながら、前橋市長選の敗北について公式コメントを出していないことだ。前出の自民党関係者も、「ドリル事件同様、こちらも知らんぷりか」と批判を寄せる。

2月4日に報じられたJNNの最新世論調査では、岸田内閣の支持率は、過去最低となる23.7%。前橋市長選の結果は当然だったのか――。

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