琉球“帰化選手”カークが感謝の古巣対戦…指揮官「武器になる」ビッグラインナップに手応え

2月4日、琉球ゴールデンキングスのアレックス・カークが、昨シーズンまで6年在籍したアルバルク東京との2連戦を終え、古巣関係者への感謝を示した。

NBA経験もあるアメリカ出身のカークは、2017-18シーズンにA東京でBリーグデビュー。A東京時代から帰化を見据えて調整していたが、昨シーズン終了後にA東京を退団し琉球へ移籍。新天地1年目のシーズンを折り返した1月25日付で帰化申請が許可され、前節の佐賀バルーナーズ戦から帰化選手としてプレーしていた。

今節は、2016年9月に行われたBリーグ開幕戦以来となる代々木第一体育館でのA東京vs琉球2連戦ということもあり、注目を集めた東西首位対決。オーバータイムの末に琉球が敗れた3日の第1戦は、途中出場で7得点5リバウンド1アシストだったが、第2戦では自身3カ月ぶりに先発出場。7得点7リバウンド1アシスト2ブロックと、インサイドで体を張ったプレーを見せ、チームの勝利に貢献した。

カークは「自分のホームといえば、どちらかというと(代々木第一体育館ではなく)アリーナ立川立飛の方になっちゃうけど、かつてのチームメートとも話ができたし、今日は最終的に勝利することもできたのでよかった」と安堵のコメント。

今シーズンから“敵地”となった代々木第一体育館には、2日続けて9000人超えの大観衆が詰めかけたが、「自分はキングスファンの声援のほうが大きかったんじゃないかなと思っている」と振り返りつつ、「(反撃されているときは)アルバルクファンからの声援という脅威も感じた。自分がいかにサポートを受けていたかというのを感じた」と、両クラブのファンから送られた声援に感謝した。

また、帰化申請が許可された際には、A東京時代の同僚からも祝福のメッセージを受けたといい、「一層うれしさが増した」と笑顔。「自分が初めて日本に来て所属したのがA東京。6年間一緒にいた仲間もいるので、私にとって彼らは兄弟のような感覚に近いと思うし、A東京という組織は家族のような存在だと思っている。この2日間で話をすることができたのでとてもうれしい」と、気心知れたかつての同僚たちとの再会を喜んだ。

一方、コート上では“帰化選手”となったことで、この日はヴィック・ロー、アレン・ダーラムと同時に先発出場するなどリーグ屈指のビッグラインナップを形成し、古巣A東京の脅威となった。第1クォーターを勝負のポイントに挙げていた琉球の桶谷大ヘッドコーチは、「今回3ビッグを初めてスタートで使ったんですけど、やっぱり3ビッグも悪くないと思う。3ビッグの後にもジャック(クーリー)が控えているのは自分たちにとってはかなり武器になる。今シーズンのBリーグトップチームとこういうゲームができた要因にはそこがあると思う」と、手応えを口にしている。

カークは「僕だけじゃなくて渡邉飛勇らが入ったラインナップもまた高さが出てくる。今後練習してケミストリーを組んでいけたら」と、ビッグラインナップのさらなる連係強化を見据え、桶谷HCも「しっかり生かせるように、これからまたチーム作っていきたいなと思います」と頷いた。次戦の7日・第22節は敵地での川崎ブレイブサンダース戦。クラブ史上初のB1連覇へ向けて、新ラインナップに磨きをかける関東遠征となりそうだ。

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