グラミー賞、テイラー・スウィフトさんが最優秀アルバム賞 史上最多4度目

米グラミー賞の授賞式が4日、カリフォルニア州ロサンゼルスで行われ、米歌手テイラー・スウィフトさんの「Midnights」が年間最優秀アルバム賞を受賞した。スウィフトさんの同賞受賞は4度目で、スティービー・ワンダー、ポール・サイモン、フランク・シナトラ各氏の受賞記録(3回)を抜いて史上最多を更新した。

スウィフトさんの受賞は、プレゼンターを務めたカナダ人歌手セリーヌ・ディオンさんが発表した。ディオンさんは2022年に難病を患っていることを公表。健康面が心配される中での、予想外の登場となった。

スウィフトさんは授賞式で、4月19日にニューアルバムをリリースすることを明らかにした

米歌手のマイリー・サイラスさんは「Flowers」で年間最優秀レコード賞を、ビリー・アイリッシュさんは年間最優秀楽曲賞をそれぞれ受賞した。

主要部門の一つの最優秀新人賞にはヴィクトリア・モネさんが選ばれた。

スウィフトさんが歴史的偉業

年間最優秀アルバム賞のトロフィー授与のため登場したディオンさんは、熱狂的な歓迎を受けた。

ディオンさんが公の場に姿を現したのは、免疫性神経疾患のスティッフパーソン症候群と診断され、すべてのライブのキャンセルを余儀なくされてからほぼ1年後のことだった。

「ここにいられて嬉しい。心から本当にそう感じています」と、ディオンさんは聴衆に語った。

ディオンさんが年間最優秀アルバム賞の受賞者としてスウィフトさんの名前を発表した際も、会場は熱狂的な反応をみせた。

スウィフトさんが近年成し遂げてきた数々の偉業に、今回の歴史的偉業が加わった。

スウィフトさんは「みなさんに、いまが人生で最高の瞬間だと伝えたい」としつつ、曲を仕上げ、リハーサルをしたり、ショーの準備をすることでも同じように幸せを感じると述べた。

「私にとって、この賞は作品そのものです」と、スウィフトさんは述べた。

「私がやりたいのは、こうした活動を続けること。それがとても大好きだし、私をすごく幸せにしてくれるので。そしてこの活動が、この賞に投票してくれた人たちをも幸せにしてくれるなんて、信じられないくらい感激しています」

スウィフトさんは2010年に「Fearless」、2016年に「1989」、2021年に「Folklore」でそれぞれ年間最優秀アルバム賞を受賞している。

出席者の大半が女性

今回の授賞式出席者は、大半が女性だった。

主要3部門を含む計9部門に最多ノミネートされていたR&B界のスター、SZA(シザ)さんは、「SOS」で最優秀プログレッシブ・R&Bアルバム賞、「Ghost in the Machine」で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞、「Snooze」で最優秀R&B楽曲賞を受賞した。

最優秀ロック・パフォーマンス賞や最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞などに輝いたのは、メンバー全員が女性の米インディーロックグループBoygenius(ボーイジーニアス)だった。

授賞式では、音楽界を象徴するような存在のトレイシー・チャップマンさんやジョニ・ミッチェルさんが、貴重なライブパフォーマンスを披露した。

こうした中、最優秀ラップ・パフォーマンス賞など、男性受賞者で最多の3部門を受賞した米ラッパーのキラー・マイクさんは、授賞式会場のクリプトドットコム・アリーナで逮捕され、警官に付き添われて会場を後にした。

マイクさんは警備員と口論になったとみられ、

は「軽犯罪」で逮捕したとしている。

マイクさんはその後、釈放されたと報じられている。

(英語記事 Grammys 2024: Taylor Swift makes history with best album award

© BBCグローバルニュースジャパン株式会社