冒険家らがオーダーメード、竹素材の自転車2台展示 豊岡・植村直己冒険館 しなやかさ生かし振動吸収、2人乗り用も

竹や木など自然のもので作った自転車=豊岡市日高町伊府

 軽くてしなやかな竹をメイン素材にした自転車が、植村直己冒険館(兵庫県豊岡市日高町伊府)で展示されている。フレームに竹が使われており、タイヤから伝わる振動を吸収することで、体への負担を軽減するという。3月31日まで。

 自転車職人のハラ・ジェルソン・アイザワさん(45)が手がけた。ブラジル出身の日系3世で、21歳の時に来日。車の部品工場や溶接の仕事を経て、長年の夢だった自転車職人の道に進んだ。独学でフレームの接合や塗装、漆仕上げの技術を習得した。

 竹を使って唯一無二の自転車をつくる工房「Gerworks」(大阪府)のオーナーとして、ロードレーサーや冒険家らに製作。竹は加工しやすく、強度や耐久性に優れ、長距離走行でも体に負担が少ない利点があるという。

 会場には、竹や木の自然素材で作った2台を展示。うち1台は2人乗り用で、自転車に乗ることが難しい弱視の夫とサイクリングを楽しみたい女性から依頼を受けて作った。夫婦でロードレースに参加したという。竹の魅力や、ジェルソンさんの人柄が伝わる言葉のほか、自転車で世界を旅した冒険者も紹介している。

 自転車で日本一周をしたことのあるスタッフ鈴木真美さん(38)が企画した。鈴木さんは「ジェルソンさんは挑戦者を応援しているとともに、自身も(竹の自転車を広めようとする)挑戦者の1人。子どもたちにも挑戦することや、ものづくりの楽しさを感じほしい」と話した。

 午前9時~午後5時(水曜休館)。入館料が必要。問い合わせは同館TEL0796.44.1515(丸山桃奈)

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