夫の年収が「1000万円」を超えました。いわゆる高収入だと思いますが、それでも「タワマン」に住むのは厳しいでしょうか?

年収1000万円を超える人の割合

まずは、年収1000万円を超える人が日本にどの程度いるのかをみてみましょう。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」の結果報告によると、給与所得者の平均年収は458万円でした。男性の平均年収は563万円です。

年収が1000万円超1500万円以下の人口は201万9000人で、給与所得者に占める割合は4.0%となっています。男性に限ってみれば180万4000人で、男性給与所得者の6.2%です。また、年収1000万円を超える人の割合は、全体の5.4%にすぎません。男性で年収1000万円を超える人の割合は、男性給与所得者のうちの8.4%となっています。

日本人の平均年収の倍程度あることからもわかりますが、年収1000万円を超える人は、やはり高収入といえます。全体の1割以下であることを考えると、まれな存在ともいえるでしょう。

東京都内のタワマンの家賃相場

物件情報サイト「SUUMO」では、千代田区の3LDK~4K以上のマンションの家賃相場は48万円と紹介されています。港区では47万4000円、中央区では31万9000円です(いずれも2024年1月10日更新時)。「三井のリハウス」運営のWebサイトでは、港区のタワマンの家賃相場は、2LDKで45万円ほど、3LDKでは50万円ほどとなっています。新宿区の3LDKは約39万円、千代田区エリアでは3LDKで約49万円です。

ピタットハウス新橋店が運営するWebサイト「タワーマンション東京ドットコム」では、港区のタワマンの家賃相場は22万8000円と紹介されています。品川区が22万円、中央区は21万8000円です。いずれも30階以上のタワマンで、間取りの目安が2LDKから3LDKの家賃相場となっています。

エイブル運営のWebサイトで紹介されているタワマンの家賃相場は、港区の3LDKで45万3000円、中央区の3LDKで36万5000円でした。品川区では、3LDKで28万7000円となっています。

エリアによってはもちろん調査元によっても差はありますが、共通しているのは、東京都心のタワマンの家賃相場は決して安くはない点です。夫婦や家族で住むのであれば、家賃だけで月々30~40万円程度はかかるとみてよいでしょう。

年収1000万円で都内のタワマンに住める?

総務省統計局の「令和4年 家計調査」の結果によると、2人以上の世帯の平均消費支出額は、1ヶ月あたり約29万円でした。住居費の約1万9000円を引くと、27万円ほどです。年収1000万円稼いでいる人が必ずしも浪費家であるとは限りませんが、平均よりも少し多い毎月30万円ほどの支出はあると想定してみましょう。

その場合、家賃を除いた年間の消費支出額は360万円となります。タワマンの家賃を毎月30~40万円(年間360~480万円)とした場合、年間の消費支出額の合計は、720~840万円です。

年収1000万円の人の場合、手取りが800万円に満たない人も少なくありません。そう考えると、年収1000万円では、少なくとも高級タワマンに住むのは難しいでしょう。タワマンに住んでも収支が黒字となりそうな年収目安は1200万円以上です。ただ、年収1200万円程度では、タワマンに住む以外のぜいたくは、あまりできない可能性があります。ある程度豊かな生活を望むなら、年収1500万円以上はほしいところです。

年収1000万円では都心部の高級タワマンでの生活は難しい

年収1000万円を超える人は、確かに高年収といえます。日本の給与所得者の5.4%しかいないため、少数派といえるでしょう。しかし、年収1000万円の人の手取りは800万円前後です。

一方で、都心部のタワマンの家賃相場は30~40万円ほどとなっています。2人以上の世帯の消費支出を考慮すると、年収1000万円でも赤字となりかねません。ある程度ゆとりのある生活をしたいのであれば、年収で1500万円以上はほしいところです。

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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