いぶりがっこ担い手確保へ 大学校に新コース設置へ 

農業の担い手の育成を行っている 「よこて農業創生大学校」に来年度から新たに「いぶりがっこコース」が設けられます。背景にあるのが農家の高齢化と食品衛生法の改正による生産者減少への懸念です。横手市は対策を講じて新たな担い手の確保につなげていきたい考えです。

農業の担い手を確保しようと横手市が運営している「よこて農業創生大学校」では今年度、20代から50代までの男女9人が就農を目指して野菜や花きなどの栽培技術を学んでいます。

横手市山内にある加工施設で5日に行われていたのは去年の秋に漬け込んだいぶりがっこの出荷作業です。大学校には来年度から新たに「いぶりがっこコース」が設けられることになっていて、その準備のため今年度、試験的に いぶりがっこづくりをカリキュラムに取り入れています。

背景にあるのが農家の高齢化と食品衛生法の改正による生産者減少への懸念です。漬物を製造・販売する際、6月からは専用の作業場の設置や保健所の許可が必要となります。水道の蛇口をレバー式にすることなど施設の改修費用が大きな壁となり、いぶりがっこの製造をあきらめる農家も出てきています。

こうした中、横手市は大学校のなかに設ける「いぶりがっこコース」を通して、新たな担い手の確保につなげていきたい考えです。農業を学ぶ研修生たちも取り組みに期待を寄せています。4月に設置される「いぶりがっこコース」では、原料となるダイコンの栽培から漬け込み、販売まで一貫して学ぶことができます。いぶりがっこの味と伝統を絶やさぬための取り組みがまもなく本格的に始まります。

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