「ゲームの歴史を学び、先人に敬意を」レブロンが次世代を担う若手にアドバイス

◆■「仕事に打ち込めば、試合はそれに応えてくれる」

キャリア21年目を迎え、デビューから今日まで常にスター選手であり続けたレブロン・ジェームズほど、若手の手本になる選手はいないだろう。プロとしての姿勢、チームでの振る舞い、試合にかける情熱、父親としてのあり方など、キングはどこを切り取っても人生の教訓となる男だ。

レブロンは、敵地でニューヨーク・ニックスに勝利した夜、「若手に対して何かアドバイスをしたいか」と問われると、以下のようにコメントしている。

「ゲームの歴史を学ぶんだ。そして、先人たちに敬意を払え。たとえ見下されたとしても、絶対に大丈夫。誰が道を切り開いたのかを知ることが大切なんだ。そして、プロであれ。出勤し、働く準備をしろ。遅刻は遅刻だ。仕事に打ち込めば、試合はそれに応えてくれる。それがゲームの神様にするべきことだ」

レブロンが歴代最多得点記録を樹立したのは生まれ持った才能ではなく、日々の努力と誠意の積み重ねである。4度のNBAチャンピオンは、偉大な選手の仲間入りを果たすためには、苦労と勤勉さが必要だと強調している。

「ジムに一番早く来て、一番最後に帰る。偉大になり、このリーグで忘れ去られることのない存在になりたいのなら、ただゲームにすべてを注ぎ込むんだ」

◆■「最近の若手を観察していると…」

試合前に黙々とウォーミングアップするレブロン・ジェームズ[写真]=GettyImages

SNSの隆盛やストリートカルチャーとのリレーションにより、選手たちは1人のプレーヤーであると同時に、パブリックアイコンとなった。だが、誰しもが何者かになりたがっている現代において、レブロンは最終的に何も意味をなさないものに焦点を当てないよう忠告し、必要なら自分を優先することがあってもいいと語る。

「車とか、宝石とか、そんなものはどうでもいい。最近の若手を観察していると、物質的なことに気を取られて集中力を失ってしまう。ただ、試合のことを心配すればいい。試合のことを心配すれば、すべては自ずと解決するはずなんだ」

「試合のことを心配し、家族のことを心配しろ。そしてまた試合のことを心配し、時にはわがままを言っても構わない。偉大な選手になるためには、少しわがままになる必要がある。時には道を踏み外さなければならない人もいるぐらいだ」

39歳になった今でも全盛期から衰えることなく、トッププレーヤーでいられる理由は、ここで言葉にしたことを実行してきたからに他ならない。だからこそ、レブロン・ジェームズはベテランになっても“NBAの顔”であり、リーグの看板を背負う覚悟と責任があるのだ。

一方で、キングのキャリアも永遠に続くわけではない。シューズを脱ぐ日は、日に日に近づいてきている。レブロンはNBAが尊敬に値するリーグであり続けるために、心のどこかで後継者の台頭を願っているのかもしれない。

文=Meiji

© 株式会社シーソーゲーム