マカオの2023年12月貨幣・金融統計公表…不良債権比率3.8%、前月から1.2pt上昇

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

 マカオ政府金融管理局は2月5日、昨年(2023年)12月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.5%、通知預金が2.4%のそれぞれ増加で、M1は1.8%上昇。また、準通貨負債は0.5%下落。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.3%減で、金額は7266億マカオパタカ(日本円換算:約13兆2625億円)。前年同月との比較では、M1が4.2%、M2が7.0%のそれぞれ上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが34.1%、香港ドルが45.4%、人民元が7.8%、米ドルが10.9%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から0.2%減の7062億マカオパタカ(約12兆8901億円)で2ヶ月連続マイナス、非居民による預金残高についても12.4%減の3237億マカオパタカ(約5兆9084億円)で7ヶ月ぶり減、公共部門の銀行システムへの預金残高は4.3%減の1935億マカオパタカ(約3兆5319億円)で2ヶ月ぶりのマイナスとなり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は4.3%減の1兆2234億マカオパタカ(約22兆3305億円)で7ヶ月ぶりマイナスに。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.3%、44.5%、8.8%、24.1%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から1.2%下落の5383億マカオパタカ(約9兆8255億円)。対外民間部門への融資は7.4%減の5551億マカオパタカ(約10兆1321億円)。民間部門へ融資額は合計で4.5%減の1兆0933億マカオパタカ(約19兆9558億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ20.3%、46.4%、12.9%、17.8%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は昨年12月末時点で前月末から0.1ポイント下落の59.8%。非マカオ居民含む総体預貸率は0.1ポイント下落の89.4%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ68.3%、60.6%水準。このほか、不良債権比率は1.2ポイント上昇の3.8%に。不良債権比率は上昇が続いている。

© 大航海時代新聞出版社有限公司