IMF、24年の世界経済成長率を上方修正 中国は重要な原動力

IMF、24年の世界経済成長率を上方修正 中国は重要な原動力

記者会見に臨む国際通貨基金のゲオルギエバ専務理事。(2023年10月14日撮影、マラケシュ=新華社記者/霍晶)

  【新華社北京2月5日】国際通貨基金(IMF)はこのほど発表した「世界経済見通し(WEO)」の改訂版で、中国や米国、複数の新興国市場と発展途上国の底堅い勢いを受けて、2024年の世界経済成長率を3.1%として23年10月の予測から0.2ポイント上方修正した。中国成長率の上方修正について、中国経済が23年に予想を上回る成長を続けていることに加え、中国政府が行う財政支援の効果を反映したとした。

 メディアの多くは、最近公表された中国経済の関連データと動向がいずれも、中国が依然として世界の経済成長の原動力であることを示しているとした。日本経済新聞社の英文メディア「Nikkei Asia」は、アジアの新興国市場と発展途上国が24年も世界の経済成長の駆動力になるとの記事をウェブ上に掲載。中国やインドなどの経済成長を受け、同地域の成長率がほかの地域を上回り、5.2%に達すると予測する。欧州のニュース専門放送局「ユーロニュース」も、新興国市場と発展途上国の経済成長が今後2年、いくらか鈍化する可能性があるが、中国は予想を上回るとの見通しを電子版に掲載した。

IMF、24年の世界経済成長率を上方修正 中国は重要な原動力

1日、湖南省瀏陽市にあるポンプメーカーで働く従業員。(瀏陽=新華社記者/陳沢国)   

 中国国家統計局によると、中国の23年の国内総生産(GDP)は5.2%増加した。世界各国の金融分野の専門家らが集う国際組織「国際金融フォーラム(IFF)」はリポートで、中国経済は23年、世界経済成長への寄与率が32%に達し、世界の経済成長の最大のエンジンであると指摘した。

 世界貿易機関(WTO)のオコンジョ・イウェアラ事務局長は、1月19日までスイスで開催された2024年の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で、新華社のインタビューに応じ、中国経済の持ち直しと上向き基調は世界貿易の回復を促し、世界の経済成長を促進すると述べた。

 複数の機関が最近発表した調査リポートも、中国経済が回復して上向き、多国籍企業は中国の消費の回復がもたらすチャンスを期待しており、中国は依然として多国籍企業の重要な市場であるとの見解を示した。

IMF、24年の世界経済成長率を上方修正 中国は重要な原動力

ドイツ・ミュンヘンで開催された中独協力プロモーション・イベント。(1月25日撮影、ミュンヘン=新華社配信/戈暢)

 シンガポール紙「聯合早報」によると、中国米国商会(在中国米国商工会議所)は1日に発表した調査リポートで、調査対象となった米国企業の半数が投資先として、中国を第一候補、もしくは上位3カ国に挙げたと紹介。大多数の企業が今後も中国事業を継続すると答え、77%は現段階で、生産または調達事業を中国から移す予定はないと回答した。

 中国ドイツ商会(在中国ドイツ商工会議所)が最近発表したリポート「ビジネス信頼感調査2023/2024」によると、調査対象企業の91%が引き続き中国市場に根を下ろし、中国から撤退する予定はないと答え、半数以上は今後2年以内に対中投資を拡大する計画と回答した。

 リポートは中国について、「ドイツ経済に対する意義は唯一無二である」と指摘。中国の消費市場の規模が非常に大きく、サプライチェーン(供給網)のインフラが先進的で、イノベーション力も日増しに強化され、中国は引き続き、ドイツ企業にとって最も重要な市場の一つであるとした。

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