『今日好き。卒業編&新年特別編』5話ーー1か月後の告白を「待ちたくない」 正直な気持ちは実る?

1月8日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。卒業編&新年特別編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

以下より、2月5日公開の5話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・思い出のアルバム作りはまるで、結婚式の準備のよう?

まだ終わらないぜ。きっと、今回の旅にはまだ続きがある。前回の4話終盤に予告された「1か月後に……」の言葉の続きに期待感を抱き、待ちに待った月曜日が訪れた。はたして、今回の旅で設けられた特別ルールとは。とその前に、メンバー全員でこの旅の思い出をまとめたアルバム作りに。

アレックス(ケイトアレックス)×ゆのん(中島結音)や、みさき(北島岬)×みく(田中碧空)など、一部ペアはカップル成立がほぼ間違いないと思われるだけに(というか、カップル成立しないと全視聴者が悲しむレベルだと勝手に想像している)、このアルバム作りももはや、結婚式のウェルカムボードを制作しているかのように見えてきてしまう。ゆのん、みくとも、想いを寄せる男子との2ショットを多めに選んでいるが、純粋に仕方ないのだ。なぜなら、ほかメンバーと過ごしたシーンが数えるくらいしかないくらい、本当にずっと、ふたりで一緒にいたから。

同時に、このシーンで思い出されたのが、2日目朝に旅を終えた、るい(村澤瑠依)の存在。メンバー全員で、アルバムの中央に集合写真を貼り、そのまわりに寄せ書きをしたためていったのだが、『今日好き』の旅に参加する意義は、運命の相手を見つけることだけでは決してない。全員の胸にるいの想いだけが残りながら、がんな青春を煮詰めたジャムのような空間に彼がいられないこと。そうた(米山颯太)やえいじ(吉田叡史)の横に座っていたら、絶対に楽しかっただろうにと思ってしまい、色々な名残惜しさが浮かんでくる。

それにしても、本当に一瞬に感じられる2泊3日なのに、これほど思い出が詰まった写真ばかりが撮れるものなのか。ただ適当にシャッターを切ったわけではなく、1枚ごとにエピソードが詰まっている。たった数ページながら、その重さは何十年分なんだろう。思い出で床が抜けるほどのアルバムとは、このことなのかもしれない。

・“1か月後”になにが起こる? 『今日好き』初の特別ルールが導入

と、ここでようやく「1か月後に……」の続きが明かされる。第一に、今回の旅において、最終日の予定は“アピールタイム”のみ。つまり、最終告白の時間がはじめから用意されていない。

さらに告げられた「1か月後に、待ち合わせ場所に集合してください。そこから、今年度最後の旅が始まります」という核心的なルール。なるほど、例年の『卒業編』ではなく、『卒業編&新年特別編』とタイトル付けがされていたのはこのためか。この旅は、まだ終わらない。スタジオの“恋愛見届け人”たちがコメントしていた通り、“卒業編1”と“卒業編2”といった2部構成なのである。もちろん『今日好き』初の試みだ。

さらに、旅を続けるかどうかは、メンバー個人で選べるとのこと。奇しくも、4話を振り返った際、筆者が想像していた内容が見事に当たってしまったわけだが、とはいえ筆者もメンバー自身もまだ、旅の全貌を把握しきれておらず、動揺を隠せない。明確なのは、カップル成立の確度が高いペアは、今日のうちに告白をすればよいこと。ゆのんがこの後に語ってくれる内容のほか、追加の旅が何泊なのか。そうした条件の転がり方次第では、旅を続けることが得策ではない可能性も十分に考えられる。

また、告白がないのではなく、正確には“自分が告白したいか”という当事者意識が、普段以上に強く求められるということ。最終日に、そのための時間が設けられているから。そんな設定など関係なく、自分がいま、この瞬間、告白をしたいから、する。自分が自分の未来を選ぶこと。『卒業編&新年特別編』は、その大切さを教えてくれる。“男子は旅の間、いつでも告白してよい”とは、文字通りではなく、この先の旅を見据えてという意味も含んでいたわけだ。

・アレックス×ゆのん、“1か月後”の告白を選ぶのか?「正直、待ちたくないの」

いざ、アピールタイムに(“最後のアピールタイム”でないところもポイントなのだろう)。まずは、アレックス×ゆのんから。普段の『今日好き』と異なり、お互いの心境を明かしあう以前に、話題はやはり“この旅を続けるかどうか”に。ゆのんはたとえこの旅を続けても、このままキモチは変わらないこと。新たな旅には継続メンバーが加わり、ゆのんと“バチバチな関係”になる可能性があることを懸念する。言い換えれば、アレックスに対して暗にこの場で告白してほしいと匂わせているわけだ。

それに対して、たとえ1か月の期間が空いても「変わらんよ、キモチは」と頷くアレックス。その答えに、ゆのんはどこか不満げな表情。もうひと押しが必要かと思われたが、実は穏やかな表情でありながら、アレックスの心も同じだったらしい。「正直、待ちたくないの」「だから、いま、告白、していい?」と、言葉を区切りながら、相手の想いを少しずつ確認するように伝える。ゆのんの口の端が上がってきた。

告白については、ゆのんからの“確定演出”が鳴り止まないのだから、なんの心配も要らない。アレックスの「どタイプなの。どんぴしゃっていうか」という告白に「え、ゆのんが?」と朗らかに聞き返し、「元気で笑顔がかわいい子が好きで。ゆのんちゃんといると楽しいの」にも「ゆのんも楽しぃ~!」と、バカップル誕生の予感しかしない。ダメ押しに、砂浜に「I L♡VE U」と刻み込み、大胆なハグでカップル成立を果たした。

アレックスこそ、一時は遠距離恋愛に不安を抱えたそうだが、そんなの関係ねえ。自分のキモチに正直に。付き合いたいから、付き合う。そこから先は、これから考えればいい。そんな想いで、ゆのんを彼女にしたいと願ったようだ。

「ずっと横におってくれてありがとね」と、この旅での感謝を呟くゆのん。このシーンのゆのんが、3日間を通して最もかわいかった。そして「ずっと一緒がいい」と、“横におってくれて”という過去形の言葉を、未来まで繋げたアレックス。告白後、ゆのんのテンションに共鳴するかのように、テンションのギアを一段階引き上げて、ノリノリな彼もまたかわいらしい。

前述の告白を受けて、アレックスから覚えたての“I love you more”で、踊りながらキモチの交換をするふたり。スタジオの井上裕介(NON STYLE)は、そもそも名前がアレックスの時点で、“井上”などといった“もっちゃり度”のある名前の人間とは格が違うと振り返っていたが、本当に仰る通り。ゆのんと結ばれるべくして結ばれた、最高の彼氏でしかないとつくづく思わされる最高のカップル成立劇だった。

(一条皓太)

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