大雪で交通まひ 各地で休校、路線バス事故も 群馬県南部で混乱広がる

トラックと衝突した路線バス=5日午後7時半ごろ、前橋市小神明町(画像の一部を加工しています)

 群馬県内のほぼ全域に大雪警報が発表された5日、各地で転倒によるけが人や交通網の乱れなどが発生した。平野部では今季一番の大雪となり、除雪作業など対応に追われた。

女性が転倒、骨折か

 各地の消防本部によると、伊勢崎市内で午後1時ごろ、雪の中を歩いていた70代女性が店の中に入った後に転倒し、骨折した。午後2時半ごろには、男性が歩行中に転倒して中等症と診断された。前橋市内では午後5時ごろに80代男性、60代女性がそれぞれ転倒してけがを負った。

 県警が正午から午後4時半までに把握した事故のうち、路面が凍結していたか積雪の状態にあった事故は52件だった。このうち人身事故が7件あった。前橋市や富岡市では倒木も確認された。

路線バスとトラックが衝突

 前橋市消防局などによると同日夜、同市小神明町の市道で路線バスとトラックが衝突する事故があり、3人が救急搬送された。雪が影響した可能性もあるという。

 交通網も乱れた。上信越道藤岡インターチェンジ(IC)―松井田妙義IC間の上下線は、午後1時40分から予防的に通行止めを行った。関越道渋川伊香保IC―水上IC間で午後7時45分から通行止めとなった。県によると、上信自動車道(渋川―東吾妻間)は午後6時から除雪作業のため通行止めとなっている。いずれも午後8時現在で解除されていない。

 各地で鉄道ダイヤも混乱した。上信電鉄では午後1時5分ごろ、根小屋―高崎商科大学前間で、雪の重みで竹が線路に倒れているのを運転士が発見。この影響で両駅間で一時運転を見合わせ、約1時間後に再開した。上下各2本が運休し、最大85分の遅れが発生した。わたらせ渓谷鉄道では桐生―間藤間で遅れが生じた。

25市町村が休校、始業繰り下げ

 警報級の大雪に、平野部では戸惑う声が聞かれた。JR前橋駅前でバスを待っていた男性(59)は「電車が遅れていたためバスに変えた。駅から職場までは徒歩で45分ほどかかるので、明日の路面凍結が心配」と、ぬれた頭を拭いていた。自転車を押して歩いていた専門学校に通う女性(20)は「コントロールが効かず危なかった。明日は普段より1時間早く家を出ないと…」と顔をしかめた。

 高崎市職員でつくる「緊急応援隊」は午後3時半ごろ、JR高崎駅から高崎市役所までの歩道で雪かきをした。約50人がほうきなどで、駅に向かう市民らの足元の安全を確保した。

 県教委によると、午後4時時点で、16市町村の小中学校が授業の中止や短縮をした。6日は25市町村の小中学校が、休校や始業時刻を遅らせるなどの対応を取る。

 県内の小売店も、営業時間を短縮するなどの対応に追われた。スーパーを展開するとりせん(館林市)は県内28店舗を含む全店で、ベルク(埼玉県)も県内16店舗を含む全店で閉店時間を午後8時に繰り上げた。とりせんは6日の開店を午前10時に、ベルクは同11時に遅らせる。

雪が降る中、県庁前で家路を急ぐ人たち=5日午後5時5分ごろ

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