発電所「年度内再開を」 万葉埠頭バイオマス 復旧急ぐ伏木の企業

設備の修理・点検で操業停止が続くバイオマス発電所=高岡市の伏木万葉埠頭(東京ガス提供)

 能登半島地震で被災した高岡市伏木地区の企業が復旧を急いでいる。東京ガスグループのバイオマス発電所は液状化現象による敷地内の隆起やひび割れ、設備の損傷などで操業停止が続くが、3月末までの復旧を目指す。伏木一帯では建物被害を受けた小売り事業者も多く、臨時店舗を構えるなど事業再開に向けた歩みを早めている。

 東京ガスグループの伏木万葉埠頭(ふとう)バイオマス発電合同会社(高岡市)が運営する発電所は敷地の液状化現象に見舞われ、30~50センチの段差ができるなど、車両が安全に通行できない状態となった。重要施設部分は基礎がしっかりとしているため、目に見える大きな被害はないが、プラントを結ぶパイプの継ぎ目にずれなどが生じたほか、排水溝が泥で埋まり水が流れなくなるなどの被害が確認された。

 安田勇社長によると、発電所は昨年12月上旬から計画停電していたため、発災時にタービンは動いていなかった。「稼働中に地震が起きていたらひどい損傷になっていた可能性がある」と話した。

 現在は発電所に導入されている設備の各メーカーが点検や修理作業を進め、地中の配管の点検も急ぐ。安田社長は「何とか年度内に再開したい。厳しいスケジュールだが、目標がないと復旧が早まらない」と力を込める。

 伏木海陸運送(同)は社屋、倉庫に亀裂が見つかったものの支障はなく、通常通り業務を行っている。

  ●商店街も被害

 伏木地区は市内でも地震被害が大きく、高岡商工会議所伏木支所によると、大規模・中小企業だけでなく、商店街など小規模事業者もダメージを受けた。

 伏木中央町では、和菓子店「こし村百味堂」は店舗が傾いたため、通りを挟んだ自宅兼作業場で営業を再開。「嘉太郎珈琲」は液状化現象で入り込んだ土砂を除去し、営業再開にこぎ着けた。

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