賄賂の相場、入札額の2% 志賀町贈収賄公判、西田被告

  ●懲役1年6月求刑

 志賀町発注工事の入札を巡る贈収賄事件で、贈賄などの罪に問われた土木工事会社「西田組」社長の西田浩和被告(50)=同町高浜町=の初公判は5日、金沢地裁(川内真里裁判官)であり、西田被告は起訴内容を認めた。検察側は、起訴された事件を含め過去5年で計12件の入札に際し、前町長の小泉勝被告(57)に賄賂を渡していたと指摘し、懲役1年6月を求刑、即日結審した。判決は15日。

 検察側は冒頭陳述などで、西田被告は2010年ごろから年数回、小泉被告に賄賂を渡し、入札の最低制限価格を聞いていたと指摘。謝礼の金額は知人から「相場」と教わった入札額の1.5~2%の額を渡していたとした。

  ●「渡すしか」

 西田被告は被告人質問で、小泉被告が町長に就いてから町の工事を受注できなくなったと説明。裁判官が賄賂を渡す以外に落札する方法はなかったのかと尋ねると「それしか方法はなかった」と答えた。弁護側は執行猶予を求めた。

 起訴状によると22年7月7日に町が実施した道路工事の一般競争入札で、西田被告は同2日ごろ、当時町長だった小泉被告から電話で最低制限価格2778万7千円(税抜き)を聞き同額で落札し、同8~14日ごろ、小泉被告の自宅で現金40万円を渡したとされる。

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