能登の被災飲食店支援 射水のシェアキッチン、店舗を無償貸し出し

無償で貸し出される「みなとキッチン」の店内=2022年10月、射水市八幡町

  ●鮮魚は浜値、宿泊も無料 「事業継続のきっかけに」

 射水市八幡町の新湊漁港近くにあるシェアキッチン「みなとキッチン」は6日から、能登半島地震で被災した飲食店主に店を無償で貸し出す。新湊地区の関連業者にも協力を依頼し、無料で宿泊することもでき、調理に必要な鮮魚も浜値で提供する。富山で短期間でも営業してもらうことにより、収益を得る機会を設け、事業継続へのきっかけとしてもらう。

 みなとキッチンは、水産仲卸業「孫七・川田水産」(射水市)とまちづくり会社「グリーンノートレーベル」(同市)が運営する。新湊水産物商業連合協同組合ビルの空きスペースとなっていた場所をシェアキッチンとして多くの人に活用してもらおうと2022年10月に開業した。

 能登半島地震では、断水や食材が手に入りにくい状況が続いていることから、営業の休止を余儀なくされている店舗も多い。みなとキッチンは以前から能登半島にある店舗とつながりがあり、事業継続への手伝いができればと店舗の無償提供を決めた。

  ●七尾のすし店、6日から営業

 活動は「能登の飲食店・つづける応援プロジェクト」と銘打ち、鮮魚は孫七・川田水産が浜値で卸す。新湊観光開発(射水市)の協力で旧第一イン新湊に無料で宿泊できる。6日からは七尾市の老舗すし店「松乃鮨(すし)」が2日間出店する。松乃鮨では2日間、寒ブリを使用した「北陸はひとつ寒ぶり丼」を3千円で提供する。うち500円は奥能登エリアで行う炊き出しに活用される。

 出店はインスタグラムやX(旧ツイッター)のDM機能で募集している。みなとキッチンの大坪史弥マネジャーは「活動を通して、能登の飲食店を少しでもサポートしていきたい」と述べた。

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