小田原の少年院跡地整備 市が国有地取得を見送り、民間が買い取りへ 公金支出は大きく削減の見通し

小田原市が2030年度の街開きを目指す「ゼロカーボン・デジタルタウン」のイメージ図(同市提供)

 小田原市が小田原少年院跡地(同市扇町)に整備を目指す「ゼロカーボン・デジタルタウン」構想を巡り、市が国有地である跡地の取得を見送り、民間業者が直接、国から事業用地を買い取って開発を進める方針を固めたことが分かった。当初は市が跡地を30億円以上で買い取る想定だったことから批判を浴びていたが、民間主導で公金支出が大きく削減される見通しとなった。

 デジタルタウンは2019年に閉鎖した少年院跡地約2.2ヘクタールに200~300戸の一戸建てと集合住宅を建設。30年に「街開き」をする計画で、太陽光発電設備や大型蓄電池など最新技術を駆使して街の全電力を再生可能エネルギーでまかない、二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを目指す。

 少年院跡地について市は当初、市が一時的に国から土地を買い取った上で、開発業者を公募し売却する手法を検討。開発に伴い周辺道路の整備も市側の負担となる可能性があり、昨年10月に実施した市民説明会では多額の公金支出への懸念から市民の批判が相次いだ。

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