回転窓/冬の味覚と漁港再生

暦の上では立春を迎えたものの、5日から6日にかけて関東地方を含む広い範囲で大雪の予報(5日正午時点)が出ている。南岸低気圧の影響で北から冷たい空気が流れ込み、東京でも積雪が予想される。交通機関への影響も注意したい▼除雪などで苦労の多い雪国の方々には申し訳ないが、冬らしい気候を感じられると少しほっとする。昨年は「地球沸騰化」といった言葉が示すように世界各地で平均気温が上昇し、温暖化が一段と進んでいる現実を肌で感じた。これからも四季の移り変わりを楽しめる国であるよう、脱炭素化の取り組みが急がれる▼冬はおいしくなる魚が多いのも楽しみの一つ。春の産卵期に備えて栄養をため込むほか、水温低下で身を守るために脂肪を蓄えることがおいしい理由のようだ▼厳しい冬に旬を迎える魚はブリやタラ、サワラ、ヒラメなど。冬の味覚が水揚げされる漁港は、この時期活気にあふれている▼能登半島周辺も寒ブリなどが特産物で知られる。主要産業の一つである漁業は、地震による海底の隆起で深刻な被害を受けた。被災地の復興に欠かせない漁港の再生も早急に進めねばならない。

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