「冨安も遠藤も優等生すぎる」「怒る人はいないの?」海外記者が指摘した“日韓の違い”。「韓国にはクレイジーな選手がいる」【現地発】

現在開催中のアジアカップで、ライバルである日本と韓国は対照的な結果となった。

周知の通り、優勝候補の大本命だった森保ジャパンは、準々決勝のイラン戦で後半アディショナルタイムにPKを献上し、1-2で敗北。一方、日本に比べると下馬評が低かった韓国は、ラウンド16のサウジアラビア戦、準々決勝のオーストラリア戦と、いずれも終了間際に追いつく驚異的な粘りを見せ、ベスト4に駒を進めている。

両国を比べて鮮明になったのが、やはり精神力だ。技術やコンビネーションは日本のほうが上回るが、ここ一番、とくに劣勢の時のメンタリティは劣っていたと言わざるをえない。

韓国の大手紙『中央日報』などに寄稿しているフリーランスのホン・ジェミン記者も、「日本にはあまり怒る人はいないんですかね? 文化の違いかもしれませんが、イラン戦では覇気や戦う気持ちのようなものが伝わってきませんでした」と指摘する。

「アーセナルでの冨安(健洋)や、リバプールでの遠藤(航)も優等生すぎる気がします。ソン・フンミンやイ・ガンインはクラブでもけっこう感情を出します。ソン・フンミンは当時トッテナムのキャプテンだった(ユーゴ・)ロリスと口論したことがありました。イ・ガンインも自分のプレーに満足できないと、周囲に言ってしまうことがある」

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同記者は、今大会のあるシーンの着目。「オーストラリア戦では、ファン・ヒチャンがソン・フンミンに『PKを蹴りたい』と言って、決めました。普通では考えられませんが、韓国にはいい意味で“クレイジーな選手”がいます。そこが、韓国と日本の違いかもしれません」と見解を続けた。

「日本は、技術的には誰が見てもアジアトップ。ただ、ワールドカップで優勝すると言うなら、もう少しずる賢くならないといけないと思います。あまりにも優等生すぎるのではないでしょうか」

W杯優勝はともかく、アジアを戦い抜くにも、気迫やタフさ、駆け引きの巧さなどが不足していたと言わざるを得ないだろう。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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