茨城県内は5日昼過ぎからの降雪で、高速道路の通行止めや列車の運転見合わせなど各地で混乱が相次ぎ、下校や退勤など帰宅を急ぐ人々の足が乱れた。大雪警報が出された県北地域では、日中から雪かき作業に追われる人々の姿が見られた。
常磐自動車道は5日午後3時から、三郷ジャンクション(JCT)-桜土浦インターチェンジ(IC)間の上下線が通行止め。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部でも通行止めとなった。
上り線の同IC手前にある千代田パーキング(PA)は、大型トラックで駐車場が満車に。宮城県名取市、トラック運転手、男性(56)は「通行止めが解除されるまで休憩するしかない」と話した。
JR水戸線は5日午後4時過ぎから、雪の重みで線路近くの竹が倒れた影響で、下館-友部駅間の上下線で終日運転を取りやめた。水郡線でも竹が倒れ、常陸大宮-常陸大子駅間の上下線で約40分間にわたり運転を見合わせた。
茨城県水戸市内の塾に通う同県大子町、中学2年、男子生徒(14)は「雪で学校は早く終わったが、塾は終わりの時間が遅い。帰りに電車が止まらないか心配」と不安そうな表情を見せた。
同町袋田の袋田の滝周辺では、滝に通じる道路が白く染まった。袋田観瀑施設管理事務所によると、5日午後2時ごろに雪が積もり始めたという。売店「滝本屋本店」では雪が降りしきる中、従業員総出で雪かき。小室圭佑専務は「雪が硬くなってしまうと大変。軟らかいうちに雪かきをしなければ」と話した。
■冬用タイヤ 交換大忙し 除雪グッズ人気
茨城県水戸市内のホームセンターなどでは5日、冬用タイヤの交換に駆け込んだり、除雪グッズを買い求めたりする人々の姿が見られた。
同市酒門町のカー用品店「山新ケンズガレージ」では5日午前から、冬用タイヤへの交換が大忙し。久米重文店長(41)によると、5日午前だけでタイヤ交換を求める人々が約20人訪れ、最大で3時間待ちになったという。
隣接する「山新グランステージ水戸」では、融雪剤や雪かきスコップ、車のガラスに使用する解氷剤などが並ぶ特設コーナーを開設。雪かきスコップを買いに訪れた同市、久保妙子さん(70)は、店員から商品説明を受けながら購入を決め、「家に1本あるが、こちらの方が使いやすそう」と話した。